肺・気道の病気/結核・肺結核

結核予防に蛋白、ストレス減らして睡眠確保(2ページ目)

3月24日は世界結核の日です。ツベルクリン反応は結核菌に対するアレルギー反応です。BCGは成人には有効性がありません。細胞性免疫を落とさないために蛋白質摂取とストレスを減らして睡眠確保が結核予防の基本です。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

BCGが唯一のワクチン

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上腕にスタンプの後がありませんか?
結核症が減らない理由はさまざまですが、BCGが唯一認められたワクチンという点です。

現在、結核予防法という法律は廃止となり、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律でニ類感染症となっています。ツベルクリン反応の結果に基づくBCGの接種は廃止となっています。生後6ヵ月未満にBCGを接種するように法律が改正されています。

成人を対象としたBCGワクチンの有効性については確かめられていないので成人には接種を行いません。

食事とストレス減少と睡眠確保が予防の基本

結核は空気感染するので、教室という同じ空間を共有している学校などで、学級単位で集団発生することがしばしば報道されています。

貪食細胞中で増殖している結核菌に対する免疫では細胞性免疫が重要です。免疫能のうち、細胞性免疫能が低下する病気のAIDSで体の中で潜んでいた結核菌や結核菌の仲間による感染症が再燃することからも明らかです。

結核を予防するには細胞性免疫を維持することが重要です。細胞性免疫を維持するには基本的な日常生活で食事に気をつける事がまず大切です。以前に記事に書いたように自己流ダイエットの若い女性に増加しています。食事では特に蛋白質の摂取が重要です。1回ごとの食事の蛋白源、肉類、魚介類、乳製品、卵、豆類を意識して食事をとりましょう。

ストレスが多い生活を長期的に送っていると細胞性免疫が低下する可能性があります。ストレスに対応したホルモンの変化は免疫能を低下させる可能性があるからです。ストレスを日常的に減らすのは直ぐには難しいかもしれませんが、肉体疲労回復のために睡眠時間を確保するように努力しましょう。

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