「慢性増殖性歯髄炎」とは……虫歯の穴の中から赤い歯茎?

虫歯イメージ

慢性増殖性歯髄炎は、治療が遅れると抜歯になる場合があるため、気が付いた時点ですぐ歯科を受診しましょう

虫歯が進行すると普通は痛みが出てくるはずなのに、なぜか痛くない……。痛くないからといって、そのまま放置している人はいませんか? 虫歯をそのまま放置すると、歯の大きな穴から赤い歯茎のような塊が盛り上がって出てくることがあります。

歯の内部から赤い肉が盛り上がっている状態を、「慢性増殖性歯髄炎」と呼びます。そして歯の中から、どんどん増殖してくる赤い塊は、実は歯肉ではなく、虫歯によって慢性の刺激を受けた歯の内部の歯髄がポリープ状に膨らんでいるため、「歯髄ポリープ」などと呼ばれています。

この歯髄ポリープは、若年者や子どものように、歯髄に抵抗力があるときに見られます。そのため乳歯の虫歯などでは、比較的良く見ることができます。ポリープと名前がつきますが、ほとんどが良性です。
 

慢性増殖性歯髄炎の経過・症状

歯髄息肉(歯髄ポリープ)
虫歯の中にまるで歯茎が盛り上がってきているように見えることがある
  1. 初めは普通の虫歯と同じ
    場所は奥歯に良く見かけます。歯の咬み合わせ面に穴が開いたりして、始めは少し冷たい水などがしみる事がありますが、ほとんどは無症状です。
     
  2. 痛くないがどんどん虫歯が深くなる
    時々痛くなったり、しみたりを繰り返すだけで激痛に見舞われることなく、どんどん深くなっていきます。
     
  3. 神経が露出してもそれほど痛くない
    虫歯が神経に到達しますが、痛みがないためそのまま放置しているケースがほとんどです。
     
  4. 歯の中から赤い歯肉のような塊が現れる
    虫歯で大きな穴になった中から、赤い肉の塊がモコモコと盛り上がり、食事の際、食べ物が虫歯の中に入り込む時だけ痛いことがあります。

特徴としては、比較的若い人に多く見られます。そして大きな虫歯になってもそれほど痛くないケースが多いことです。しかし、赤く盛り上がった部分を歯ブラシなどで擦るとすぐに出血して、痛く感じることもあります。
 

慢性増殖性歯髄炎の治療法

慢性増殖性歯髄炎の治療
鏡で見るとちょっとドッキリするが、それほど特殊なケースではないのでご安心を…
歯の内部の歯髄まで進行してしまった虫歯と、同じような治療が行なわれます。
 
  1. 麻酔をする
    治療前に痛く無くても、まだ歯の内部に残っている神経は痛みを感じるので、麻酔を行ないます。
     
  2. 歯髄ポリープを取り除く
    赤くポリープ状に盛り上がっている部分を取り除きます。
     
  3. 歯の内部の神経を取り除く
    乳歯では根の奥の方の神経まで取り除かないこともあります。一般的には、成人では、根の先まで神経を取り除くことになります。
     
  4. 根の中に詰めものを入れる
    神経を取り除いたスペースに詰めものを入れます。
     
  5. 歯に被せ物を取り付ける
    歯の内部から歯髄ポリープができるほどの虫歯の場合は、大きな虫歯と考えられるため、被せて歯を咬み合わせの力から守ることになります。

慢性増殖性歯髄炎の場合には、虫歯が深くなっても痛みを感じることがあまりないため、治療の開始が遅れがちになります。そのため虫歯もどんどん進行して歯の形が崩壊すると、治療しても元の形態に戻すことが不可能になり、抜歯となることもあるので、早めの治療をお勧めします。

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