通院回数は少なくしたい……虫歯の治療回数は何で決まるか

歯を磨く女の子

虫歯の進行度によって、治療法は変わります

早期発見、早期治療が良いことは分かっていても、ついつい遅れてしまう歯の治療。虫歯の治療回数は、1回で終わる場合もあれば、4回以上通院しなければならない場合など、症状によって様々です。虫歯の治療法は、どう違うのでしょうか? 治療回数の目安別に、虫歯の進行度と治療方法を現役歯科医が臨床現場の感覚で解説します。

治療回数1回で終わる虫歯治療……1~3mmの初期虫歯

深い虫歯の発見

たとえ大きな虫歯であっても気づいた時に治すことが最良の選択となることが多い

1回の治療で完治する治療法とは、虫歯を取り除いたあとに、光で固まる樹脂を詰めるのが一般的です。

■虫歯の深さ
1~3mmが中心。基本的には、自覚症状がほとんどなく、検診で発見される初期虫歯など。特に痛みがほとんど出ていないことがポイント。歯の中の神経が炎症を起こしていると1回での治療は困難なことが多くなります。

■虫歯の範囲
歯の面積のおよそ1/5程度まで。樹脂などの詰め物はあくまで残った周囲の歯に保持されるため、虫歯でない歯の量が十分に残っていることが大切。樹脂の強度は金属よりは弱いため、噛み合わせの負荷がかかる歯と歯の間などは小さな虫歯でないと対応できないこともあります。健康な歯の面積が少ないと樹脂が破損したり逆に歯の部分が欠けてしまうことも。

■歯を削る量
歯の部分のみを削って詰める治療のため、必要最小限。最近では以前より削る量をさらに減らす治療法が主流となってきています。このため小さい虫歯であれば無麻酔で治療も可能。

■よく見かける状況
歯の溝の一部に虫歯が進行したような場合や、根元にできたわずかな虫歯。穴が外から確認できない歯と歯の間にできた小さなトンネル虫歯。

治療回数2~3回の虫歯治療……被せものが必要な虫歯

治療回数2~3回で多いのが、虫歯を取り除いたあとに歯の型を取って、その後はめ込み金属や被せものなどを取り付ける治療方法です。

■虫歯の深さ
2~5mmが中心。自覚症状が全くないか、あっても軽度な場合。この場合も神経の治療を必要としないケースが中心となります。以前に歯の神経を抜いてあれば、比較的大きな虫歯でも2~3回で治療できることがあります。

■虫歯の範囲

歯の面積のおよそ1/3程度まで。樹脂の詰め物では、折れたり欠けたりするため対応できないケースがほとんど。面積が大きくなるとインレー(はめ込み金属)から被せものにするなど段階的に移行していきます。

■歯を削る量
虫歯の部分以外にも、金属をはめ込むために必要な形態として、歯の内面にごくわずかな傾斜が必要になります。このため樹脂の詰め物と比べて、余分に歯を削る必要があります。さらに被せる場合には、セラミックや金属の厚み分のスペースが必要になるため、歯の周囲を1~2mm程度削ります。

■よく見かける状況
歯と歯の間にできた中程度の虫歯。自分でわずかに気が付くことができる程度の穴がある場合。以前治療して取り付けた金属などが外れただけで、内部に新しい虫歯がない場合も。

治療回数4回以上の虫歯治療……神経に達する深い虫歯

■虫歯の深さ
神経に達するほど深い虫歯が中心。治療時点では自覚症状が無いこともあるが、それ以前に何らかの違和感やズキズキした痛みがあることが多い。歯の神経を取ったり、歯の根の奥にたまっている膿など、歯の内部の神経部分の治療が必要なケースなどが多いようです。

■虫歯の範囲
歯の面積のおよそ1/3以上。場合によっては歯の白い部分(歯冠)が全て溶けてしまい、歯ぐきと同じ高さになっていることも。歯ぐきの中に根の部分しか残っていないような場合は、神経の治療や土台となる基礎を作らなくてはならないため余計に回数がかかります。

■歯を削る量
インレー(はめ込み金属)や被せるために削る量に、歯の神経を取り除くためのアクセルホールの量が加算されます。

■よく見かける状況
歯と歯の間にできたトンネル虫歯がさらに進行した洞窟状に広がった大きな虫歯。まるでピーマンのように内部がスカスカになるまで虫歯が進行し、外側の殻の部分が欠けて急に大きな穴になるなど、内部で虫歯が広がっていることをよく見かけます。


治療回数・治療期間を減らしたいなら、定期健診の習慣を

実際の治療では、虫歯だけでなく、歯周病などの治療が平行して行われることが多いので、治療回数はこれより多くなる傾向があります。しかし、歯周病の治療は数本まとめて行われるのに対して、虫歯の治療は1本ずつ治療していくことが多いため、本数が増えればそれだけ回数が増えてしまうのは、仕方のないことでもあります。

虫歯予防に完璧はありません。さらに虫歯が進行すれば、治療期間は長く、かかる費用も高くなってしまいます。定期検診などで虫歯のチェックを繰り返しながら、早いうちに治療することが治療回数を減らす近道なのです。


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