歯の根っこだけ残る歯、「残根」とは?

虫歯イメージ

気になることがあれば早めに歯科を受診しましょう

歯の形はみなさんそれぞれ。もちろん全ての歯が同じ形をしているわけではありませんが、「残根」といって歯の頭がなくなってしまっている歯に対しては、治療が必要になる場合があります。

残根とは、歯として機能するための歯の頭(歯冠)部分が虫歯などで溶けてなくなり、根だけ残っているような歯のこと。残根の原因や治療法、放置した場合のリスクを現役歯科医が解説します。
   

残根の主な原因は虫歯や治療の放置など

残根

歯の頭(歯冠)が完全に溶けて根だけがある

虫歯の放置
虫歯になっても治療せずに放置していると、次第に虫歯が歯の頭(歯冠)を溶かして残根になります。

■治療の途中放置
まれに病院嫌いの人から「とにかく痛みだけなくして欲しい」と頼まれることがあります。そして痛くなった歯の神経を抜いた後、最後まで治療しないでそこで来院がストップしてしまうケース。

歯の外側のエナメル質は虫歯の進行が遅い反面、内部の象牙質はエナメル質に比べて柔らかく、内部で虫歯が広がりやすい性質があります。神経を抜く時の穴が開いたまま内部が露出したままになると、虫歯の抵抗力の弱い内部の象牙質から虫歯が進行して、1~2年で残根状態になることがあります。

■かぶせたものが外れた場合
歯にかぶせたものの周囲から内部に向かって、歯ぐきと同じ高さで虫歯が進行。かぶせものが外れるとすぐに残根状態になります。また差し歯など土台ごと外れてしまった場合も、残根状態になることがあります。
 

残根の治療法…かぶせものや抜歯による処置…

■歯にかぶせものを作る
残根になると歯の内部の神経がすでにダメになっているか、過去に神経を抜いてあることが多いので、歯の神経を残すことができません。歯の神経を抜いた穴に金属などの土台を差し込み、その上にかぶせものを作って歯の形に戻します。

■抜歯
根が短い、ヒビが入っている、虫歯が歯ぐきよりもかなり奥に進行しているような場合は、残根の周囲の歯ぐきが炎症を起こしていたり、短すぎて土台の金属を差し込めなかったりします。そのため抜歯になることもあります。

■残根のまま保存
高齢者などの疾患、飲んでいる薬(骨粗鬆症の薬、抗凝固剤など)の種類によっては、抜歯や治療にリスクが伴うことがあります。このため症状がひどくなければ、リスクを回避するため抜歯せずにそのままにすることもあります。

■蓋をして入れ歯の下に置いておく
残根の表面に高さ2~3mmのドーム状の蓋を作ります。この上に入れ歯を装着します。通常入れ歯は歯ぐきが噛む力を支えますが、ドームを入れ歯の下に置いておくことで、残根が柱の役割となり、歯ぐきで支えるよりもしっかり感が増します。
 

残根放置のリスク・デメリット…他の歯への影響も

残根は歯が根だけしか残っていないため、一般的に機能を回復させるための治療の難易度が高く、治療の時間や回数が多くなる傾向があります。状態が悪ければ抜歯につながることもあり、歯の寿命で考えると、すでに後半にあると考えられます。虫歯を放置して残根になってしまった場合には、たとえ治療で元に戻ったとしても、早期発見で治療した虫歯に比べて歯としての寿命が短くなりやすいのです。

さらに、汚れた残根の表面にはたくさんの虫歯菌や歯周病菌が付着しています。痛みがないからといって治療せずに放置していると、その菌が他の健康な歯に影響を与えることも考えられるので注意が必要です。
 

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