歯茎を切る!歯茎切開や切除も多い歯科治療

歯科医のイメージ

歯茎の切開や切除の治療は、歯科診療では日常茶飯事。歯茎にまでメスを入れなくてはならない理由があるのです

歯科治療では歯茎切開や歯茎の切除をしなければならないことがあります。方法としては局所麻酔を行なったあと、歯茎にメスを入れますが、状況によってレーザー、電気メスなども用いられます。

今回は歯茎切開や歯茎切除を伴うことが多い症例・治療の流れについてご紹介します。

<目次>  

歯周外科手術での歯茎切開……重度の歯周病の原因目視のため

歯ぐきの縫合

歯周外科では、歯ぐきを切開することが多い

歯周外科手術は、主に重度の歯周病の場合に行なわれる治療です。代表的な「Flap手術」と呼ばれるものは、まず歯の周囲の歯茎を切開します。これは歯周病の原因となっている歯の周囲の歯石や細菌などを目視状態にするためです。

そして歯石や汚れなどを除去したあとに切開した部分は縫合します。大体1週間程度で抜糸してその後は次第に切開部分が目立たなくなります。歯茎は、炎症が無くなると容積が減少する傾向があるので、手術後に歯茎が下がったり、痩せたりしますが正常な状態です。
 

歯周病での歯茎切除……歯茎が腫れて余分になっているため

厳密には歯周外科手術の一つに数えられますが、歯茎切開ではなく、歯茎を切って取り除く歯茎切除を行うこともあります。歯周病では歯と歯の間にある歯茎が腫れてポケットが深くなります。この腫れて余分な歯茎をメスやレーザーで切除してポケットを浅くします。

ただ注意しなくてはならないのは、歯茎を切除することは、腫れた原因を除去しているわけではないということです。そのため歯肉切除だけでは、根本的な解決にはならずに再発を繰り返します。歯肉切除と同時に深いポケットの原因となっている歯石を取り除くことが必要です。

一般的には歯石を取ると歯肉切除しなくても時間が経てば、ポケットは浅くなります。そのため歯周病で歯茎が腫れても必ずしも歯肉を切除する必要はありません。しかし歯石を取り除いても変化が少ないポリープ状の歯茎や、明らかに余分な歯茎に対しては歯肉切除が効果的です。
 

親知らず等の抜歯時の歯茎切開……埋没した歯を抜くため

歯が歯茎や骨の中に埋もれている場合の抜歯は、まず歯茎の切開が行なわれます。さらに親知らずが炎症を起こして抜歯が必要な場合は、かなりの確率で抜歯の際に歯茎の切開が行なわれます。

親知らず以外でも、虫歯を放置しすぎると歯が溶けて根だけが歯茎の中に取り残されて、見えなくなってしまうことがあります。そのような根を抜く場合には、まず麻酔をしてから根と顎の骨の境目が見える程度まで、歯茎を除去したり切開することがあります。ちなみに抜歯のときに歯茎の切開を行なう確率は、臨床で行なわれる抜歯全体の1割以下とごくわずかです。

消炎のための歯茎切開……溜まった膿を出すため

膿が溜まって膨らんだ部分を切開して、膿などを出す治療もよくあります。切開が必要なほど膿が溜まりやすい代表的なものとしては、歯の根の先端部分が炎症を起こした場合と、歯周病のように歯の根の周囲が炎症を起こした場合の2つが挙げられます。

歯茎には弾力性があり内部に膿が溜まってしまうと、内部の圧力が増して炎症部分を圧迫するため痛みが増大します。このため切開を行ない膿を排出すると圧力が低下して、急に痛みが楽になることがあるのです。

しかし消炎のための切開は、応急的に痛みを軽減するためのものであって、楽になっても治ったわけではありません。早めに炎症の原因となっている細菌感染を治療する必要があります。

 

最も多い虫歯治療での歯肉切除……虫歯内部の境界を知るため

実は歯肉を切除する機会が最も多いのは虫歯治療です。虫歯はただ歯の内部に向かって一直線に進むだけではありません。内部ではなく歯の周囲を根の方向に向かって進む場合も多いのです。虫歯が歯茎の内部の根の部分に進行してしまう場合には、歯茎の奥に虫歯と健康な歯の「境界」が存在することになります。

虫歯を除去したあとは、この「境界」部分にあわせて段差や隙間を作らずにぴったりと詰めなければなりません。しかし「境界」が歯茎内部に存在しているため、歯茎が邪魔をして、きれいに詰められなかったり、精密な歯の型を取ることができないことがあります。

こんなときレーザーや電気メスなどを利用して、周囲の歯茎を除去すると、「境界」が歯茎の上に出てくるため、詰めやすくなったり型がきれいに取れたりするようになるのです。
 

歯茎切開・歯茎治療後の痛みや出血

歯茎は少しぐらい切ったり除去したりしても、新陳代謝が肌よりも約2倍早い約2週間といわれているため、一時的に治療時に出血することなどもありますが、すぐに回復するのであまり心配しなくても大丈夫です。
 

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