前歯の表面にできる白い斑点「ホワイトスポット」とは
歯の表面に白い斑点が見えるときは虫歯の初期段階、自分でお手入れすれば治せることも
前歯を鏡で見たときに、歯の表面に白い斑点のようなものが見られることがあります。歯ブラシで擦っても落ちないので、見た目が気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか? この白い斑点は「ホワイトスポット」と呼ばれるものです。原因と治療法、予防法についてわかりやすく解説します。
<目次>
前歯の「ホワイトスポット」、原因は初期虫歯
歯の表面の白い斑点は、白いチョーク状になって見えることが多いです。歯の表面のエナメル質が酸性などに傾いた状態が続いた結果、エナメル質にあるカルシウム成分が少なくなり、脱灰して白濁してしまうのです。これは虫歯の初期段階と考えられています。歯の表面が白くなっているだけなので、虫歯の穴のようなものはまだ見られません。しかしこの状態が長期間続くと、虫歯の穴ができてきます。
「ゆっくり虫歯」との違いは、ゆっくり虫歯には色がある点です。ゆっくり虫歯の場合はすでに虫歯が表面的に発生していても、表面が比較的硬い状態ですが、白い斑点のホワイトスポットができている場合は、脱灰してエナメル質が柔らかくなっています。
歯の白い斑点の取り方・治し方……2つの治療法
歯の表面の白い斑点を治す方法は、次の2つのアプローチがあります。■自己修復作用を利用する
エナメル質が脱灰された白い斑点は、虫歯のように二度と元の状態に戻らないわけではありません。一時的に失われたカルシウムなどを、唾液中のカルシウムが、歯の表面から失われた部分に入り込み修復する事ができます。
この作用を利用すれば、少しずつ白い部分が修復されて元の歯の色に戻る可能性があります。最近ではより効果的な成分を配合した「ホワイトスポットケア用歯磨き粉」なども販売されています。この場合、根気良く毎日続ける事が大切です。
■削って詰める
ホワイトスポットの内部に虫歯が進行して、内部の象牙質という部分まで虫歯が進行してしまった場合や、ホワイトスポットが改善せず、逆に進行している場合などは、削って詰める場合があります。
またホワイトスポットは審美的問題にもなりやすいため、その場所のみ僅かに削り、歯と同じ色で詰める事で、審美性を短期間で改善させることが出来ます。
ホワイトスポットは虫歯の初期と考えられるため、治療を先送りしすぎると思わぬ大きさの虫歯となる事があります。病院などで状態を確認してから、どのような治療を行なうかの判断する方が賢明です。
ホワイトスポットの予防法
エナメル質が白濁するには、歯の表面が「酸性」になる必要があります。これは虫歯ができる時の仕組みとまったく同じです。そのため虫歯と同じような予防が必要になります。■間食をできるだけ控える
普段は中性を保っている口の中も、食事の度に酸性に傾きます。間食を減らすと、酸性に傾いた口の中を唾液の作用で中性に戻し、歯の脱灰を修復する時間が得られます。
■ブラッシングをしっかり行なう
歯の表面にプラークと呼ばれる粘着性の白い細菌の塊が付いたままになっていると、歯の表面を溶かし、白い斑点が大きくなったりします。プラークをきちんと毎日落とすことが予防に繋がります。
■フッ素配合歯磨き粉を利用する
歯磨き粉のフッ素を利用すると歯の表面が緻密になり、脱灰して白くなりにくくなると考えられています。
ホワイトスポットは、食習慣やブラッシングによっては、面積や場所がどんどん増大してきいきます。出来るだけ小さい面積のうちに治すことを心がけるようにしましょう。
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