寝たきりは作られる!
病気でしばらく寝ていた後、起き上がると足元がふらついた経験はありませんか?誰でも身体を動かさずにいると、心身機能が低下してしまいます。
まず体力や筋力。1週間寝ているだけで、筋力は20%も落ちるそう。立ったり歩いたりしても持続力がなく、すぐ疲れてしまいます。骨の密度も減りもろくなるばかりか、関節も硬くなりがち。さらに血管中の水分が減少して、心臓から送り出される血液の量もダウン。胃腸などの内蔵の動きも鈍ります。精神面にもダメージを受けかねません。こうした症状を総称して「廃用症候群」と呼びます。
お年寄りの場合は、風邪で数日寝込んだだけで廃用症候群にかかることも。起き上がっても以前のように動き回れないことに気づくと、「まだ調子が悪いから」といつまでもベッドでぐずぐずしがちです。その間にも心身のレベルは落ちる一方。あっというまに寝たきりとなってしまうのです。
廃用症候群にはどんな症状があるのでしょうか?
●筋肉系
拘縮(関節の周囲の組織が固まってしまうこと)・腰背痛・五十肩・体力や持久力の低下
●骨系
骨粗鬆症・骨折
●内臓系
便秘・胃痛・むねやけ・胃もたれ・食欲不振・肝機能障害
●循環器系
めまい・静脈血栓症・肺塞栓症・肺炎・むくみ
●精神系
痴呆・抑うつ・不眠
●皮膚系
床擦れ
●自律神経系
便秘・尿大便の失禁・低体温症
●泌尿器系
尿路感染・頻尿
全快した!と思っても、問題はそこから。油断のならない症状が待ち伏せしているのです。