加齢による脳波の変化
1秒間を示す矢印の間にある赤丸の数が周波数(Hz:ヘルツ)となります。お元気な101才女性のアルファ波の例です |
それでは、加齢による脳波について考えて見ましょう。多少なりとも個人差はあるのですが、人間は成長するに従って脳波が変化します。実は同じアルファ波であっても70才ぐらいまでは平均して9~10Hz、80才を超える頃には8~9Hzと、加齢によって更にゆっくりとした波形になることが知られています。
生後からの変化では、新生児では脳波に不規則な活動が見られ、3ヶ月も過ぎるころには3~4Hz(ヘルツ)の波形が見られるようになります。5才を過ぎるころにはシータ波とアルファ波が同等に出現し、7~8才では一時的にアルファ波が優勢になります。15才を過ぎることにはほとんど成人の脳波と同じ波形となり、若年者特有の徐派が見られなくなって成人脳波となります。更には40才からは側頭部にシータ波が散発し、60才頃からはシータ波が増加します。健康な人では脳波検査をする機会はほとんどありませんが、加齢によって変化する脳波を測定して脳年齢の参考にするのも面白いかもしれませんね。
参考:代表的な脳波の周波数
デルタ(δ)0.5~3Hz、シータ(θ)4~7Hz、アルファ(α)8~13Hz、ベータ(β)14~30Hz:δ・θ波を合わせて徐波(slow wave)、β波は速波(fast wave)と呼ばれます。成人が覚醒しているときにはα・β波が見られます。
一流のスポーツ選手やヨガの達人ではアルファ波をコントロールすることができると言われていますが、実際のところ脳波をコントロールできるのではなく、いかに精神を落ちつかせてリラックスすることができるかがポイントのようです。ピンチ・チャンスのときにも動じることなく自身の力を発揮できること、それが本番に強いということです。オリンピックでは本番に弱いと言われ続けた日本人ですが、歴代のメダリストを見てみると納得できる結果かもしれません。日常生活でプレッシャーを感じる場面で、あなたはアルファ波を出すことができますか?
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