飲酒・アルコール/飲酒・アルコールに関する豆知識

お酒にまつわるウソ・ホント(2ページ目)

年末年始、連日の飲み会で週末はぐったり…なんてことも。今回は「日本人はお酒に弱い?」、「酔いにくいおつまみはある?」など、お酒にまつわるウソ・ホントをお届けします。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

女性はアルコール依存症になりやすいってホント?

女性のほうがアルコールに対して弱い!
女性のほうがアルコールに弱い!
ホントです。

女性のほうがアルコール依存症になるスピードが早いことが知られています。一般的に女性のほうが小柄なことや、女性ホルモンの影響があるとされます。ちなみにアルコールは主に肝臓で代謝されます。アルコールによって直接痛めつけられることと、栄養障害という間接的な影響で、アルコールを長期にわたり大量に摂取した方の肝臓はまず脂肪肝になり、そしてアルコール性肝炎、肝硬変という状態まで悪化します。ちなみに脂肪肝の時点ではお酒を控えればもとに戻ります。「検診で脂肪肝といわれた」なんて方、まだまだ大丈夫。かえって元に戻すチャンスですよ。

肝硬変とは、肝臓がきちんと働かなくなった最後の状態のことです。アルコールを1日平均120g(日本酒5合)を15年間つづけると1~2割の人が、160g(6合強)を20年間続けると約半分の人が肝硬変になります。

アルコール依存症によっておこる内臓の障害の一例である肝硬変では、女性は男性より肝硬変の発生率が高く、積算飲酒量(どれだけの量を何年飲んだかということ)が約2/3で、飲酒期間も約10年短いうちに肝硬変がおこってしまうことがあるといわれています。男性の半分から2/3位くらいの量にとどめておきましょうね。

お酒を飲むと乳がんになりやすいってホント?

残念ながら、ホントのようです。なんと、1日平均の飲酒量がアルコール換算で6g、12g、24gの人の乳がんリスクは、お酒を飲まない人と比べて、それぞれ4.9%、10%、21%高くなったという調査があります。ちなみにアルコール12gは、日本酒なら半合、ワインなら1杯(100ml)、ビールなら1杯(250ml)くらい。たいした量ではない気がしますけれどね…。

アルコールの種類にはよらず、純粋に量のみがリスクと関係があるといわれています。

月経前は酔いやすいってホント?

エストロゲンが多いと酔いやすい
月経前は酔いやすい
ホントです。

エストロゲンという女性ホルモンは肝臓のアルコール代謝を遅くすることがしられています。そのため「エストロゲンが体内に多いとき=月経前」は「長時間体内にアルコールが残ってしまう=酔いやすい」ということになるのです。

ここで、「月経前はエストロゲンが少ないんじゃないの?」と思った方、右上の図をご覧ください。エストロゲンは二峰性で、排卵前と月経前に多くなります。ただ、月経前はプロゲステロンが多くなるので、その影響が目立つのですね。

この理屈でゆくと、排卵前も酔いそうですね。排卵は自分ではわからないことも多いので、目立たないのかも知れません。

女性で30歳すぎてからだんだん飲めるようになるヒトや、閉経後にお酒に強くなるヒトがいるようですが、体内のエストロゲンが減ることが一因とも言われています。


次ページでは酔いにくい食べ物、二日酔いに効くといわれている食べ物をご紹介。
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