飲酒・アルコール/飲酒・アルコールが招く病気

お酒は体に悪いのですか?(2ページ目)

タバコと違って、お酒は体によいといわれることもありますが、これは本当なのでしょうか。「禁酒セラピー」という本をご紹介します。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

アルコール依存症とはアルコールをコントロールできていないと気づいた人?

アルコールは体に悪いの?
アルコールは体に悪いの?
さて、「アルコール依存症」は「お酒の摂取をコントロールできなくなったヒト」と考えるのが一般的ですが、禁酒セラピーという本の面白いところは、「アルコール依存者とは、飲酒をコントロールできていないことに気づいたヒト」と考えようということです。

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いわく、アルコールの害は10年単位で20年から60年もかけて、きわめてゆっくりと進行するため、人間はそれに気づかないうちに年をとってしまい、亡くなってしまうだけであり、

アルコールはタバコと同じく「一利」もないけれど、社会の思い込みによってアルコールにもいい面があると思い込まされている。

お酒を飲む理由として「リラックスできる」「勇気がでる」「外向的になる」「精神が休まる」という理由がよく言われるが、これはすべて言い訳に過ぎない。例えば、お酒以外でもリラックスできる方法はたくさんあるし、人間にとって本来なら必要な恐怖心がなくなるから「カラ勇気が出る」ような気がするだけ。自己防衛本能としての抑制心がなくから「外向的」になるだけで、さらに「不安」や「ストレス」も「なにかおかしいことがおこっている」という体のサインであって、本来は生存に必要なもの。これをアルコールで無理して押さえつけているだけ。お酒の効果がなくなると不快感が戻ってきてさらに飲みたくなる・・・・

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はい、きわめて正当な意見だと納得。

さらに、「お酒を飲もうとしている若者は、食虫植物の中に入ろうとしているハエによく似ている」とか、「お酒は「幸福」という名の麻薬である」とか、「飲酒はゆっくり進行する自殺行為である」とか、なかなかに含蓄のある内容が続きます。

たしかに、個人的にもアルコールは質の悪い麻酔薬だと思っています。ただ、感覚的には自分もよくわかるのですが、「お薬を飲むのはいや」という方がかなりいらっしゃるのに比べ、「お酒を飲むのはいや」という方はあまり見たことがないですよね。なんらかの形で、自分の感覚を麻痺させたい欲求が人間の中にはあるのかもしれませんね。
 
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