ある日突然、耳が聞こえにくくなる「突発性難聴」。ストレス社会で生きる人には、年齢に関係なく起こる可能性のある耳のトラブルです。どんなメカニズムで起こり、何に注意しなくてはならないのかを知っておきましょう。

■ストレスの多いサラリーマンこそ注意して!

最近、近い場所から声をかけられても、よく聞きとれなくなった、なんて経験はありませんか? これが片方の耳だけに起こっていたら、突発性難聴の可能性があります。

“難聴”というと年齢的なものでは?と思う方も多いと思いますが、さにあらず。40~50代の発症が多いものの、20代、30代の働き盛り世代にも多く見られるトラブルなのです。

では、いったいどのようなメカニズムで起こるのでしょう? 残念ながら、いまのところそのしくみは不明。1973年に定められた突発性難聴の診断基準でも、「原因が不明」という条件があるように、くわしい原因がいまだ解明されていない病気なのです。

有力視されている原因のなかには、ウイルス感染説、内耳の血液循環障害説、アレルギー説などがあるそうですが、生きた人の耳で検証することは難しく、なかなか特定できないのが現状です。

しかし、突発性難聴を訴える患者のなかに、「強いストレスを受けていた」と答える人が多いようで、ストレスや過労が引き金になっていることはいえるようです。

■気づきにくいのはどうして?

では、どんなときに突発性難聴に気づくことが多いのでしょうか。朝起きたときに突然、「あれ?よく聞こえない」と気づいたり、電話をかけていて相手の声がよく聞こえなくなった、ヘッドフォンで音楽を聴くと、聞こえにくい音域があるなど、気づくきっかけはさまざまです。また、耳がふさがったような感じがしたり、自分の話す声に違和感を感じたりして気づくこともあります。

ただ、特徴的なのは、片方の耳だけ聞こえなくなることが多いということ。両耳同時に聞こえなくなることはあまりないそうです。もちろん、両耳聞こえないよりはよいことなのですが、困ったことに“片耳だけはいままでどおりに聞こえる”ために、聞こえにくいことに気づかない人も多いのです。

ちなみに、上でふれたように、電話やヘッドフォンを使用したときにこの難聴に気づくのも、このせいなのです。(片耳に受話器を当てて聞いたときに聞こえにくい、ヘッドフォンでじっくり音を聴くと、片方だけよく聞こえない・・・など)

■1カ月以上たつと、もとに戻らなくなることも

さて、気になる治療ですが、これは早めが鉄則です。発症してから1週間以内の受診が望ましく、遅くとも2週間以内に受診すると、治療効果が見られることが多いようですが、1カ月過ぎてしまうと改善の見込みはかなり少なくなるそうです。

また、気づいたときにはもう聴力が完全になくなっていたという人や、めまいを伴ったタイプの場合にも治療効果は低くなるそうです。

治療の内容には、血管の循環をよくしたり、炎症を抑え、聴神経の機能を回復させる薬を内服する薬物療法がメインで行われるそうですが、いずれにしても、まず耳鼻咽喉科で聴力検査を行い、突発性難聴であるかどうかの診断をしてもらうことが大切。

いつもより聞こえ方がヘンだな、と気づいたら早めに耳鼻咽喉科を受診してみてくださいね。






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