今回の記事では、「住む」ためだけでない、「貸して賃料収入を得る」ことを考えた【シングルライフのマンション購入】にアプローチいたします。
■シングルの年金
年金制度改正案が語られるとき、例として頻繁に登場するのが “モデル世帯” です。これは、「夫は40年間フルタイムで就労、妻は40年間専業主婦」の平均的な世帯とされています。が、「シングルの場合はいったいどうなるの?」と気になります。
厚生労働省の試算では、年金の給付額に関して「現役平均賃金の5割を保証する」と説明がなされますが、これもモデル世帯での話。下表のように2025年の単身世帯、とくに男性の場合は、大きく5割を割り込んでいます。
次のようになります。
“年金暮らし”の想定パターンは、、、。
〔1〕年金給付額の範囲内で暮らす
〔2〕老後資金を貯めて備える
〔3〕年金給付額を補う収入を確保する
実際には、どれか一つの方法を選択するのではなく、取り得る手段を組み合わせてプランニングすることとなります。が、いずれにせよ準備は早いに越したことはありません。
■購入マンションの使い方
さて、マンション購入の際あなたは「今すぐ住む」「ずっと住む」を念頭に検討しておられますか。住宅購入のご相談を受けていると、「貸せるマンションかどうか」「貸したらどうなるのか」との質問も多く受けるようになりました。「住む」「貸す」に関しては、以下のように整理できます。
〔1〕今すぐ住む ⇒ ずっと住む
〔2〕今すぐ住む ⇒ 将来は貸す
〔3〕まず貸す ⇒ 将来は自分で住む
〔4〕まず貸す ⇒ ずっと貸す
ライフスタイルや自分を取り巻く環境、経済状況などは刻々と変化します。最初に決めたプランをまっとうできるとは限りません。今の時点で予測できる範囲で、変化を予想してみましょう。「転勤があるかも?」「親の介護期間は同居したい」「転職、独立開業」等々。“ライフスタイルの変化に対応可能なマンションを選ぶ”ことも将来への備えのひとつです。
■マンションの価値
マンション等の不動産の評価は、「同じような条件のマンションが2,500万円で売れたから、このマンションもそれくらいで売れるだろう」との類似の取引事例を参考に評価する方法から、「このマンションは将来どれくらいの収益を生みだすか=賃貸に出したらいくらの賃料を稼げるか」との評価方法へウエイトが移ってきました。高い賃料を得られるであろうマンションはそれだけ高く売れる、ということになりますが、これは「売却していくらの儲けになるか」というよりは、「持っていればいくらの儲けが見込めるか」という考え方です。
さて、次ページからは、「稼げるマンションの選び方」を見ていきましょう。