文章:光原 ゆき(前任ガイド)
寒い冬といえば心身ともにポカポカ温まる「鍋料理」が定番。鍋に野菜、肉、魚介類などたくさんの食材をにぎわせれば、栄養バランスの整えやすい料理になります。たとえば野菜類に含まれる水に溶けやすい栄養素も、スープごと食べることで無駄なく摂れるのです。鍋の最後を締めるご飯や麺類、餅など主食となる食品たち。ここで炭水化物を摂取できれば、栄養バランスはもう完璧です! つけ合わせの調味料だって味噌や塩、醤油、ポン酢、ゴマだれなど幅広く応用が利くのでとても便利ですよね。
鍋調理のポイントをおさえましょう
いちどに栄養たっぷり!家族や仲間と熱々の鍋を囲みたいですね |
魚介類は、煮すぎると身がしまって硬くなりすぎるものもあるので注意が必要です。特にカキや貝類は、程よく火が通ったところで食べるとふっくら、おいしくいただけます。
熱に弱いビタミンCなどを多く含む葉野菜類(春菊、ほうれん草など)は仕上げに加え、加熱しすぎないようにしましょう。
鍋料理に使われる代表食材の栄養チェック!
鍋定番の野菜といえばまず白菜やねぎ、春菊などが思い浮かびます。これらはビタミンC、β-カロチンが多く含まれており、風邪予防や疲労回復、抗酸化作用によるがんや動脈硬化の予防に有効です。また白菜や春菊には、高血圧を予防するカリウム、便秘・調整に有効な食物繊維も含まれています。そのほかの食材ではしいたけや豆腐などが代表的。しいたけはビタミンB1、B2、骨の強化に効果的なビタミンDなどが摂れます。良質な大豆たんぱく質をもつ豆腐には、コレステロール低下作用があり動脈硬化に有効で、ほかにも女性ホルモンに似た構造のイソフラボノイド(配糖体)が、発がん抑制や骨粗しょう症の予防に効果があると推定されています。変わりだねでは、ビタミンCや食物繊維の宝庫であるじゃがいもを入れるのもおすすめです。
次のページから、いろいろな鍋の栄養をみてみましょう。まずはモツ鍋から。