ビールの効用、知っていますか?
美味しいビールにおもわぬ効用も
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- 女性にやさしいビールの効用……P.1 ビールを飲む時の注意……P.2
女性にやさしいビールの効用
さて、ビールにはどのような効用があるのでしょうか。暑い時ほどおいしいビールは、生活習慣病予防や骨粗鬆症予防にも期待されています。 |
ホップに含まれるフィストロゲンという成分は、大豆に含まれているイソフラボン同様に、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをします。
2002年7月19日から開催された「第56回日本栄養・食糧学会」(北海道大学)において、ビールの骨密度減少抑制作用に関する研究が報告されました。これはラットによる実験で、ホップ成分に骨密度の減少を抑制する作用がある可能性を示し、その結果を人に換算したところ、ビールの適量摂取(体重60kgの成人で約100mLに相当)が、骨密度減少に効果的に働き、骨粗鬆症発症のリスクを低減する可能性が示されています。
■ ポリフェノールが生活習慣病を予防
キリンビールのサイトによると、ビールにもポリフェノールを多く含んでいることが明らかになり、虚血性心疾患リスクの低減効果や、発がんプロセスの抑制作用などが報告されています。
また、原料となる麦芽(モルト=発芽した麦を乾燥させたもの)成分には肝障害の抑制作用が認められ、ホップ由来のイソフムロンにはインスリン非依存性糖尿病、脂質代謝の改善作用やがん細胞の増殖にかかわる酵素の阻害活性がみとめられました。
■食欲増進
ビールに含まれている炭酸ガスが、胃壁を刺激して胃液の分泌を促し、胃の働きを活発にさせる作用があります。またホップ独特の苦味は消化を助け、食欲増進に効果があり、さらに殺菌作用もあるので、蒸し暑い日本の夏には、うってつけの飲み物と言えそうです。
■美肌作りに役立つビタミンB群
他の酒類と比べると、ビールにはビタミンB群、特にビタミンB2やナイアシンが多く含まれ、これらは肌を健康に保つうえで必要な栄養素です。
■ 利尿作用
ビールは、約90%が水分で、浸透圧が人間の体液に近いため、利尿作用があります。尿路結石の排出には有効とされています。「兵庫区薬剤師会」のサイトによると、「結石が小さいうちは、ビールを飲んで大量の尿とともに体外に流し出してしまうことが可能だが、飲みすぎは、利尿作用後の尿の濃縮・ 尿中への尿酸排泄の増加・ 尿の酸性化を招き、尿酸結石やシュウ酸結石を作りやすくする危険性もある」ので注意が必要です。
ビールは、古代からの強壮剤
ビールは大麦から作られるため、古くから液体のパンと呼ばれ、炭水化物はもちろん、様々なビタミン、ミネラルが、他の酒類と比べると多く含まれています。また淡色のビールよりも、黒色(焙煎した麦を使用)の方が、ビタミンB群やミネラルの量が若干ですが多く含まれています。古代エジプトでも、ピラミッド建設に働く人のための強壮剤として飲まれたり、皮膚病の塗り薬などにも活用されていたそうで、ヨーロッパには回復期の病人の食事向けにつくられたビールもあり、消化吸収のよい栄養源とされていたそうです。日本でも渡来した明治初期には、なんと薬局で売られていたとか。
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