◆◆INDEX◆◆-1- 納豆は骨を鍛える-2- 納豆の健康効果は-3- 納豆の力を活かす食べ方 |
◆現代日本人は慢性的なカルシウム不足!
厚生労働省の『国民栄養調査』によると、私たち日本人は1日あたりのカルシウムの必要量に対して10%ほど不足しています。また現代人はリンを多く摂取している傾向があります。
というのは、リンは、肉類や加工食品、清涼飲料水などにも多く含まれ、欧米型の食事や、手軽なインスタント食品などをよく利用していることが一般的になったからではないかと思います。血液中でリンが増えると、骨にためてあったカルシウムを出してバランスを取ります。日本人は、カルシウム不足+リンの過剰摂取により、カルシウムが慢性的に足りない状態になっているのです。
◆骨量が減ると骨はスカスカになってしまう!
骨に含まれるカルシウムやその他の成分量(骨量)は年齢とともに減り、骨量が減少すると、骨はスカスカ状態になり、折れやすくなります。この状態が骨粗鬆症です。
骨粗鬆症は圧倒的に女性に多い病気で、女性では閉経期の40~50歳代から急激に骨量が減少し、60歳代でなんと2人に1人、70歳以上になると10人に7人が骨粗鬆症を起こすような状態になっています(男性では60歳過ぎから徐々に増え、70歳以上では10人に4人足らず)、日本医師会によると現在、日本には1,000万人以上の骨粗鬆症患者がいると推定されています。
◆納豆のネバネバが骨を鍛える
納豆はカルシウム補給に優れているだけでなく、あの独特のネバネバ成分には、骨を強くする働きがあるのです。その正体は、ポリグルタミン酸。アミノ酸の一つでうまみのあるグルタミン酸が、約三千個もつながっているため、強い粘りがあり、糸を引くのです。
骨や歯を丈夫にするには、カルシウムを多く摂ることが大切ですが、ただ摂るだけでは、そのまま排泄されてしまいます。このポリグルタミン酸が、腸からのカルシウムやミネラルの吸収を促進することが1988年味の素株式会社の研究でわかりました。
◆納豆を食べている地域ほど骨折が少ない??
また納豆には、ビタミンK2が豊富に含まれていることもポイント。取り込んだカルシウムを骨に吸収、沈着させるのに関与しているのがビタミンK2です。
全国納豆協同組合連合会によると、納豆消費量(総務省家計調査)と大腿骨骨折の発生比(厚生労働省調査)を見ると、納豆の消費量の多い東北、関東地方は骨折の発生比率が低く、納豆消費量が半分程度の近畿以西は、骨折の発生比率が高いということがわかり、納豆の成分が影響している
次のページで、納豆の他の効果もおさらいしておきましょう。