「全国花粉情報 花いんふぉ」によると、2003年春のスギ花粉の飛散開始は例年よりやや早くなると考えられ、過去の平均を上回る地方が多くなるだろうとのこと。花粉症対策として、症状を緩和する食べ物がいろいろ紹介されていますが、今注目されている食べ物の多くに共通する成分が「ポリフェノール」なのです。
◆ニューフェイス 加工用トマトの皮に注目!!
日本農業新聞(2003.2.12付)によると、キッコーマンは未病医学研究センターと共同で、トマトの抽出物にくしゃみなど花粉症の症状を緩和する効果があることを確認しました。
効果があるのは果皮の抽出物で、トマト特有のポリフェノール「ナリンゲニンカルコン」を含んでいます。これは、トマトの赤い色素成分で、ヒスタミンを抑える働きが認められました。
ただし、一般に私たちが食べている生食用トマトは「ナリンゲニンカルコン」をほとんど含まず、加工用・調理用トマトが比較的多く含んでいます。かといって、トマトケチャップやトマトジュースも、製造時に果皮を取り除いてしまうため、製品にはほとんど含まれず、トマトジュースをがぶがぶ飲んでも効果は得られません。また加工用トマトを生のまま皮ごと食べて効果があるかどうかは、まだ分かっていないそうです。
◆その他には
■シソの葉
シソの葉に含まれているポリフェノール「ロズマリン酸」は、炎症を和らげる作用があると言われています。1日、14mg(シソの葉にすると6枚から10枚くらい)生葉を食べるか、ジュースにしてもOKです。
青ジソと赤ジソでは、赤ジソの方がポリフェノールの一種アントシアニンが含まれている上に、ロズマリン酸自体の含有量も多いのでより有効だとか。
■甜茶(てんちゃ)
近年特に人気が高く、お茶以外にもガムやキャンディーなども販売されています。「甜茶ポリフェノール」がヒスタミンを抑制し、またくしゃみ・鼻詰まり・目のかゆみの原因となる「シクロオキシゲナーゼ」という酵素を抑える働きもあります。
気をつけたいのは、一口に甜茶といっても、その種類は4つ「牛白藤」「臘蓮繍球」「多穂石柯葉」「甜葉懸鈎子」があり、花粉症に効果的といわれているのはバラ科の「甜葉懸鈎子」だけなのです。バラ科と書いてあるかどうかをチェックしましょう。
他にもお茶の最新情報としては、ポリフェノールの一つカテキンという成分で注目される凍頂烏龍茶やべにふうきなども効果があるそうです。
■他に「赤ワイン」、玉ねぎの「ケルセチン」、ウコンに含まれる「クルクミン」なども注目されていますが、これらもすべてポリフェノールなのです。
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