食と健康/調味料・ハーブ・スパイス

小さな新芽に秘めたパワー

さまざまな野菜の新芽「スプラウト」や発芽玄米。小さな生まれたばかりの新芽には、あふれんばかりのエネルギーが秘められています。今話題の発芽食品の魅力を紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

植物の種子には、生命を維持するのに必要な栄養素が凝縮されています。その栄養やエネルギーを一挙に解き放って、新芽を出します。その瞬間、植物ホルモンが作られ、新たなビタミンやミネラル、アミノ酸などの栄養素や酵素を作り出し、栄養の宝庫となるのです。成長した野菜、穀類、果物は、新芽のパワーにはかないません。

これまで新芽食品と言えば、代表的なものが「もやし」ですね。もともと「もやし」は「萌やし」で、「目を出させる」を意味し、米・小麦・豆・野菜類の芽のことなのです。一般的に知られる「もやし」は、豆類のブラックマッペの新芽。他にも、大豆もやしやアルファルファ、緑豆もやし、かいわれ大根、目新しいものではえんどうのもやし「豆苗」も出回っています。

中国では、5千年前からすでに「もやし」が栽培され、当時から新芽は健康に良いと認められていたそうです。また日本では「かいわれ大根」が、平安時代の貴族など裕福な階級層の人々たちに食べられていた高級食材だったとか。

今回取り上げた「スプラウト」は、これらの新芽食品よりもっと若い、発芽して2.3日の赤ちゃん。そこにパワーの秘密があるのです。


◆ミニチュアみたいにかわいい野菜◆

「スプラウト」とは、英語で植物の新芽の総称を言い、野菜の種や豆を発芽させたものです。今スプラウトが注目されているのは、1997年アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のタラレー教授が「ブロッコリーの新芽には、ガンを抑制するサルフォラフェインという酵素が、成熟時の30倍も含まれる」という主旨の論文を発表し、さらにアメリカ国立がん研究所の研究でも「発芽3日目頃の新芽には通常のブロッコリーの20倍~50倍ものサルフォラフェインが含有されている」と報告されたことで、アメリカのヘルシー志向の人からブームが始まりました。

スプラウトの良さは、少量食べるだけで多くの栄養が得られる事です。また食べる直前に根を切り離すので、栄養分の損失が少なくてすみます。今では、アメリカだけでなく、スイス、ドイツ、北欧諸国などでは、サプリメントよりも新芽や若芽を食べて必要な栄養分を摂ることが普及しているそうです。

最近日本でも人気が高まり、スーパーなどでもよく見かけます。ブロッコリーだけでなく、クレス、マスタード、レッドキャベツなど、種類もさまざまです。またご家庭でも作れる栽培キットなども、インターネットで通販されています。水耕栽培なので、農薬や化学肥料も使わずできて、安心ですね。

■関連リンク
気になる食材(女性と健康)
ファーマーズ・マーケット(スプラウト王国)

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