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会社説明会のマナーとは?説明会の探し方と必要な準備
会社説明会は、ただ行けばいいというものではない。事前の準備と、その日の行動がキモだ
会社説明会とは一体何だろうか。言葉通り、その企業の事業内容や、今後の方向性、そしてどんな人材を必要としているか、採用情報など、その企業を受験するために必要なことを説明する会である。
開催形式としては3種類あり、ひとつは企業1社で単独開催する説明会と、リクルートやマイナビなどが主催する複数の企業を一堂に会した合同説明会、もうひとつは大学主催で学内に企業を招いて開催する学内合同説明会がある。
企業単独開催の説明会の場合は、リクナビなど就職サイトにエントリーしたり、その企業の採用サイトをチェックしたりすることで、開催の案内が来る。大学によっては学内で単独セミナーが開催されることもあるだろう。定期的に複数回開催する大学もあるので、就職課(キャリアセンター)のガイダンスに参加したり、掲示されるポルタ―やチラシ、メルマガを見るなどしてスケジュールをチェックしよう。なお、企業によっては説明会の後にエントリーシートを書かされたり、選考が始まったりするケースもあり得るので、これから記す「予習」もしっかり行っておこう。
また合同説明会を探すには、合説どっとこむが便利だ。日本全国の合同企業説明会の情報を一括で検索できる。さらに、リクナビ、マイナビなど就職サイト上でも告知されるイベントも見逃せない。各主催者によって出展する企業の業界や、提供される内容が異なる。企業ブースだけではなく、無料の面接対策講座やカウンセリングコーナーが併設されているなど就活生を手厚くサポートしているので活用したいものだ。
また大学主催の学内合同説明会は、OB・OGの採用実績があるなど、その大学の学生を採用したい意欲の高い企業が集まる。よって内定獲得のチャンスは大きい。しかも行き慣れた大学のキャンパス中で行われるので、時間や交通費の節約にもなるとメリットも多い。活用しない手はないだろう。
最後に会社説明会に参加する目的を確認しておきたい。一言で言えば「その企業をより深く知る」ことである。ホームページや会社案内だけでは知り得ない何かを必ず持ち帰らなくてはならない。できるだけたくさんの会社説明会に参加して、第一志望を決定するのが望ましいが、その企業の予習はもちろん、当日「絶対に何かを持ち帰るぞ!」という気概で臨まなければ意味がないことを、肝に銘じておこう。
もちろん逆に、参加してがっかりすることもあるだろう。その場合、企業が「自分と合わない」ことを知ることができたのだ。無意味ではない。しっかり準備して時間の無駄にならないように心掛けよう。
会社説明会の前日までにその企業を予習する
講師の人の話が、すらすらと理解できるように、しっかり準備して行こう
前述した通り、まれではあるが、エントリーシートの提出など選考が始まるケースもあり得る。たとえ選考がなかったとしても、事前に予習しておけば、当日の説明の理解も深まるし、必ずある「質問コーナー」で質問もすることができる。後述するが、特に質問は必ずする気概で臨んでほしい。
さて、事前の予習とは何か。以下の読み物に目を通しておくことだ。
- 企業ホームページを熟読する
リクナビなどに掲載してある求人情報はもちろん、その企業に必ず掲載してある採用情報は、プリントアウトして熟読しておこう。気になるところにアンダーラインを引いたり、経営理念や社長のメッセージもプリントアウトして読み込んでおく。その企業での働く姿勢を知る上で必須だ。
そして商品や事業紹介。求人情報には軽くしか触れられていないので、深く読み込む。最近は、コマーシャル動画がホームページ上で見られることも多い。特に商品名やブランド名、対象とする顧客は誰かは正しく理解しておこう。
最後にプレスリリース。プレスリリースとは、新商品の発表や他企業との提携、そして事件になったことなど(例:個人情報漏えい、製品の事故など)、プレス(press)、すなわち新聞社などマスコミに対し公開・広報すること。よって、ニュースのネタであり会社説明会に参加する学生なら、「必ず知っておかなければならない」情報なのだ。ちなみに、もし企業のホームページで、聞き慣れない言葉が出てきたら、Googleで検索して意味を確認しておこう。
- ニュースサイトで記事を検索する
参加する企業に関するニュースがないか、一応チェックしておこう。最近の記事であれば、各ニュースサイト内の検索やGoogleニュースなどで検索できる。ちょっと古い記事も各新聞社のデータベースで見つけることができる。通常有料だが、大学によっては無料のケースもあるのでチェックしてみよう。また記事があることだけ確かめて、内容は図書館に行って現物を見る手もある。
- 図書館の雑誌コーナーに行く
日経ビジネスや東洋経済、ハーバードビジネスレビュー、一橋ビジネスレビュー、日経産業新聞、日経流通新聞、その他業界雑誌や新聞などに、その企業が特集されているかもしれない。まずはその雑誌や新聞のサイトをチェックしてみよう。
もちろん毎日、新聞や雑誌を読んで気になる記事をスクラップできれば、以上の作業はほとんど必要ない。しかしできていないからこそ、ライバルの大学生に追いついておかなくてはならないのだ。
質問コーナーでは必ず質問するつもりで話を聞こう
人事はいろんなところで、君をチェックしているよ
会社説明会には必ず人事担当者が来ている。つまり、将来の面接官が来ていて、学生のことをチェックしていると考えるべきだ。もちろん、全員の学生を把握しているわけではないが、目立って「いい学生」と「悪い学生」は記憶される。後者になったら話にならない。できれば前者になりたいものだ。
そこでするべきことは3つある。
- 受付はもちろん、廊下やトイレでの所作や言葉に気をつける
ついついお客様気分で気が緩みがちだが、受付の人は人事部に配属された新入社員かもしれない。また、廊下ですれ違う人も、トイレで出会う人も、その企業の人事かもしれないのだ。そこでの所作や言動には細心の注意を払うべきだろう。その企業(もしくは会場)から出るまで、気が緩まないようにしよう。
- 可能な限り、前に座る
会場にはできるだけ早く着き、できるだけ前に座ろう。前に座ることで、説明が聞き取りやすいし、スライドの文字も読みやすくなる。講師と目が合い、覚えてもらえやすくなる。そして、質問コーナーでも席が前の方が当てられやすい。
- 必ず質問する
会社説明会には必ず質問コーナーがある。そこで質問する学生は記憶してもらえる可能性大だ。よって、必ず質問をするつもりで話を聞くことが大切となる。特に合同説明会であれば人数が少なく距離は近いので、当ててもらいやすい。もちろん、前述したように、質問をするためには予習が大切であることを忘れてはならない。
会社説明会でチェックするべき3つ!志望動機・自己㏚ネタと社員観察
エントリーシートや面接で述べる志望動機と自己PRを必ず拾って帰ろう
会社説明会の目的は「その企業をより深く知る」ことである。その「深く」とは何か。それは「自分に合うかを確かめる」ことであり、自分に合うのであれば、「さらに深く理解する」ことが目的になる。前者は何をチェックしたらいいのだろうか。後者、特にこれから潜り抜けなくてはならないエントリーシートや面接のために、何をしっかり聞きとらなくてはならないのだろうか。
会社説明会でチェックするべき大切なことは、以下の3つである。
- 社員を観察する
自分に合うか合わないかは、社員を観察するのが一番いい。なぜなら、将来の同僚となるからだ。例えば受付での学生への態度や応対はどうか、講師の説明の仕方はどうか。企業で開催される場合は、そこにいる社員や建物すべてを観察しよう。ああ、この人たちとなら一緒に働けると思えるか、自分自身に問いかけてみよう。
- 志望動機のネタを拾う
エントリーシートや面接で必ず聞かれる。よって、ホームページや会社案内だけでは、決して知り得ないその企業の魅力を、しっかりメモしよう。可能な限り質問して、その魅力を引き出そう。
- 自己PRのネタを拾う
エントリーシートや面接で必ず聞かれる自己PRに書くべきことは、その企業が「求める力」を有していることである。よって、その「求める力」を正しく理解しなくてはならない。例えば「コミュニケーション力が必要」と書かれていたとする。ではなぜ、コミュニケーション力が必要なのか、つまり仕事ではどのような場面で必要となるのかを詳しく理解しなくては、いい自己PRは書けないのだ。もし理解できなければ、質問コーナーで尋ねてみよう。
他大の学生とお茶に行く
就職活動中にできた友人は、意外と長く続くよ。きっと苦しみを共有したからではないかな
隣に座っている学生に対しても、意識を向けてみよう。具体的には、話しかけてみよう。可能であれば、説明会終了後、お茶に誘ってみよう。
もちろん、初対面でいきなり話しかけるのは難しいと思うかもしれないが、道ですれ違った人ではないのだ。君と同じく就職活動中で、君と同じようにその企業に興味を持った学生なのだ。
もしかしたら、就職活動について同じ方向性を持ち、語り合える友になるかもしれない。また、君も行きたくなるような企業を知っているかもしれない。
その場では難しくても、また別の企業の説明会で出会うかもしれない。その時なら、もっと話せるかもしれない。そんな種を蒔く気持ちで、隣の学生に話しかけてみよう。
以上、会社説明会は、ただ参加すればいいものではないことに気づいてもらえただろうか。
前述したが、会社説明会に参加する目的は、その企業が「自分に合うかを確かめる」ことだ。また、意中の企業であれば目的は「さらに深く理解する」ことだ。まさに「生涯の伴侶」を決める作業と同じくらい、丁寧に行う作業なのだ。よって、できるだけたくさんの会社説明会に参加して、第一志望を決定するのが望ましいが、その企業の予習はもちろん、当日「絶対に何かを持ち帰るぞ!」という気概で臨まなければ意味がないことを肝に銘じておこう。
もちろん逆に、参加してがっかりすることもあるだろう。その場合、企業が「自分と合わない」ことを知ることができたのだ。無意味ではない。しっかり準備して時間の無駄にならないように心掛けよう。
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