S子さんの周りでは、3年ほど前からマンション購入ブーム。先輩の購入秘話は大変役立ったとのこと。そして今、後輩へ購入ストーリーを語る身となり自分を振り返ってみると、最適なマンションを選んだという自信がちょっぴり揺らいできたと言います。
自分のお城を得たという幸せと自信が満ち溢れているS子さん、その憂いとはいったい何でしょうか。話しを伺ってみましょう。
購入間もないマンションを売却するという、先輩の話
新築で購入したマンションも売却時には中古マンションに |
話しを聞くと、マンションに欠点があったわけではなく、共通していたのは「ライフスタイルの変化に伴うマンション売却」でした。その多くの場合が、「結婚を機にマンションを購入したけれど、思いもよらず離婚することとなり、マンション売却との結論に至った」という例です。
購入後すぐの売却は残債が多く、売るための思い切った値付けがなかなかできないのが実態です。先輩の一人は別居しながら住宅ローンを払い続けていて、「共有名義だけど、元嫁と売却について突っ込んだ話ができず前途多難」と打ち明けてくれました。
シングルライフのS子さんには、かなりショッキングな話です。ところがS子さん、意外と冷静。「売れないのは価格の問題だけかしら?」と売れないマンションの分析をはじめました。
狭い?不便?特徴のない立地と物件
分析していくと、いくつか特徴が見えてきます。第1に“狭い”こと。先輩の多くは、ディンクスだからと広さにこだわらずコンパクトな住戸を購入。ファミリーには少し窮屈な広さとなっています。
第2に利便性の問題。最寄駅までギリギリ徒歩圏ではあるけれど、利便性にこだわるディンクスやシングル層をターゲットとした場合、訴求力が弱い。
第3には物件力の問題です。少し駅から歩くマンションだけれど、最寄駅がターミナル駅である、ディンクスやシングルに嬉しいスポットが周辺に多い、年配シングル層向けの仕様で周辺に病院等が揃う、など物件をアピールできるポイントがあれば値付けや売りやすさも違ったのではないかしら、との印象です。
さらに、再婚した別の先輩からは、「彼女が今のマンションを気に入らず、結局残債を抱えたまま売却しなければならなくなって。でもなかなか売れないんだ」という話しをこれでもかと聞かされて、S子さんのマンション選びは、益々シビアな様相を呈してきました。
先輩や同僚の話には、素敵なマンション購入ストーリーも多々あったのですが、レアケースがあまりにも強烈で、S子さんのマンション選びは“売りやすい”という1点に絞り込まれてきました。
S子さんの“売りやすさ”にこだわったマンション選びは、次ページをご覧ください。