Y子さんのひと目惚れパターンは?
マンションのお気に入りのポイントはどこですか。冷静に比較検討して選びたい |
モデルルームを見学し、すっかり心を奪われてしまったY子さん。あれよあれよという間に契約にいたってしまいます。ご相談に来てくださったのは、契約終了後、翌週には資金計画を決めなければならない、というギリギリのタイミングでした。
以上のように、Y子さんのひと目惚れパターンは[3]、マンションを購入した友達に触発されて事前準備なくモデルルームを訪問、恋に落ちるパターンでありました。
Y子さんの不安は?
マンションそのものに対する選択には、ゆるぎない自信を持っていたY子さんも、資金計画や住宅ローンの選択となると勝手が違います。長期のプランニングが苦手なY子さんは、住宅ローン返済のイメージがわきません。頭金はいくら用意すれば良いのか、住宅ローンは何を基準に選べば良いのか、何から手をつけてよいのか、などがまったくわからず、いつのまにか決定の期限直前となっていたのです。
資金計画の不安は、マンション購入そのものへの不安に繋がり、「購入するのじゃなかったかも」と、すべてに自信がなくなっています。
驚いたことに、Y子さんは販売担当者に資金プランや返済プランの試算をしてもらっていませんでした。提携ローンがあることなどの確認もてきておらず、これはY子さんだけではなく、売り手側にも問題があるのではないかと、ガイド的にはかなり不満です。
ひと目惚れ購入、即契約に至った理由は?
経緯を伺っていると、モデルルーム訪問から契約に至るまで大変な速さであったことがわかりました。何故でしょう。恐らく、Y子さんの安定した収入と頭金に充当できる預貯金額がその理由ではないでしょうか。
Y子さんの購入データからすれば、「資金計画上、何の問題もない優良なお客様」と売り手が認識することはやむを得ません。Y子さんの年収であれば、もっと預貯金があってもおかしくないだとか、月収は多いが支出も多い、毎月の収支は均衡、住宅ローンを払える余力はごく僅か、などということは表面的にはわかりません。
早期契約の背景のひとつは、Y子さんの購入データからの安易な判断とその判断に互いが安心してしまったことだと思います。「問題なく購入できてしまう」からこそ、慎重な資金計画が必要です。間違った返済プランは、将来のライフプランやキャリアプランに大きな経済上の損失をもたらします。
まずは、Y子さんの資産や収支、今後の予定などの把握から始めました。
次ページでは、Y子さんの不安を解消するための処方箋をみてみましょう。