年末・新年の挨拶をメールで! ビジネスメールの送り方
新年の挨拶をビジネスメールで!
年末年始のご挨拶をメールで……と考えている方は、今一度同報メールについて見直しましょう。
同報メールの種類
同じ内容のものを同時に複数の人に発送するメールを「同報」メールといいます。これには発送の仕方によって3種類があります。メールを送る際「相手のメールアドレスをどの部分に入力するか」がポイントです。通常、メールの作成画面の送り先には「TO」「CC」「BCC」の3つがあります。これらの欄に複数のメールアドレスを入れる際は、各メールアドレスを「,(カンマ)」で区切るようになっているメールソフトがほとんどです。
TOで送るメール
Outlook Expressの場合「宛先」となっています。メールの送り先が一人の場合、この部分にメールアドレスを記載しますから、すでにお馴染みですよね。アナタがこの部分にAさん、Bさん、Cさんのメールアドレスを入力して発送すると、受け取った人全員の受信メールの「TO」欄には3人分のメールアドレスがすべて記載されています。受け取ったAさんは「あ、Bさん、Cさんにも同じ内容のメールが送られているのね」と分かります。これはB、Cさんも同様です。
このメールではアナタから見たAさん、Bさん、Cさんの立場は対等です。このメールの内容は3人に平等にお知らせしたかった、というアナタの意志を3人は読み取ります。ですから必要であれば、3人とも返信をしてくるでしょう。
CCで送るメール
「CC」とはカーボンコピーの略です。本来の宛先の人以外で、そのメールを見てもらいたい人がいる場合に「CC」欄を活用します。アナタがCCに入力したメールアドレスは、すべての受信メールの「CC」欄に記載されます。例えばアナタはA上司に報告書を出し、それを同僚のBさん、Cさんにも見てもらいたいとします。本来の宛先であるA上司のメールアドレスは「TO」に、B、Cさんのメールアドレスは「CC」に入力して発送します。受信した3人のメールは、いずれも「TOにはA上司、CCにはB、Cさんのメールアドレス」が記載されています。これにより、A上司はB、Cさんもこのメールの内容は知っていることを把握でき、またB、CさんはアナタがA上司にこのメールを送ったことを知ることになります。
このとき、主役はA上司です。B、Cさんは脇役です。ですからアナタに返信をしてくるのはA上司のみで、B、Cさんは特にアナタに返信をする必要はないことになります。もしアナタがB、Cさんからもこのメールに対する返信が欲しいならば、「CC」ではなく「TO」を使うべきだと言えます。
BCCで送るメール
「BCC」とはブラインドカーボンコピーの略です。この欄に入力したメールアドレスは受信者側のメールには記載されません。例えばアナタは取引先のA社長に見積書を出し、それを社内営業部のB部長にも伝えておきたいとします。本来の宛先であるA社長のメールアドレスは「TO」に、B部長のメールアドレスは「BCC」に入力して発送します。A社長の受信メールには「TO」欄に自分のメールアドレスがあるだけで、他のメールアドレスはどこにも記載されていません。ですからA社長はこのメールと同じモノがB部長にも送られていることを知りません。一方、B部長が受け取ったメールも「TO」欄にA社長のメールアドレスのみが記載されており、自分のメールアドレスはどこにもありません。これによりB部長は「自分はA社長宛のメールをBCCで受け取った」ことを知ります。
このとき、主役はA社長です。B部長は単に報告を受けただけの影の存在です。ですから、アナタに返信をしてくる可能性があるのはA社長のみで、B部長はアナタに特に返信する必要はありません。
同報メールと一言でいっても、相手によって使い分ける必要があります。CCにしろBCCにしろ、これは本来のメールのコピーとして送るものですので、通常は返信を期待しない場合に使うモノだと心得ておきましょう。
では年末年始の挨拶メールなど、特定多数の人に対する同報メールについてお話しします。
挨拶メールはBCCを活用しよう!
旧年中にお世話になった御礼、または新年の挨拶を同報メールで行う際、「TO」欄には自分のメールアドレス、そして送り先のメールアドレスは「BCC」欄に入力します。このとき絶対に送り先のメールアドレスを「CC」欄に入力してはダメです。アナタはお付き合いのある方々であっても、お互いは知らない同士の場合がありますので、その点を考慮しなくてはなりません。メールアドレスは一種の“個人情報”です。それを多くの人にばらまく行為は「信用できない人だ!」と判断されてしまいます。
具体的な例として私が遭遇したのは、あるネットショップの店長が年末の挨拶メールをCCで送ってきたケースです。メールの冒頭にある「CC」欄には、顧客全てのメールアドレスが記載されていました。受信した私は、まったく知らない人のメールアドレスを延々と見せられて、ようやく本文にたどり着いたら「今年はお世話になりました」で、もうビックリ! このネットショップの店長は顧客からお叱りのメールが殺到したらしく、その後一切メールでのお知らせをしなくなりました。
挨拶メールにおいて、誰か一人だけ主役として「TO」に設定するのは、これも相手に迷惑をかけかねません。そこで自分のメールアドレスを「TO」とし、本文の冒頭には、
同報メールにて失礼いたします。
との一文を入れておきましょう。
先ほど解説しましたように、「TO」以外の欄を使って送られてきたメールは極端に言えば「主役はあなたではありません」と相手に宣言しているようなものです。本来はお世話になった方一人一人に丁寧な私信を差し上げるところを簡易的にメールで行っているわけですから、ひとこと無礼を詫びた方が感じが良いモノです。また、これにより受信した方も「あ、同報メールだから特に返信の必要はないよね」と気軽に受け流してくれます。
同報メールは便利ですが、それなりの意味があります。使い方を誤らないよう注意しつつ、年末年始はスマートな挨拶メールを交わしてくださいね。 |
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