3月24日に国土交通省から発表された公示価格では全国平均で前年比6.4%の下落となり、12年連続で下落しています。固定資産税を算出する基礎となる固定資産税評価額は公示価格の7割程度というのが一般的ですので、公示価格が下がれば固定資産税も連動して安くなるのが本来ですが、現実は毎年下がっていません。
「♪何でだろ~」と歌いたくなりますが、制度上の色々な問題が絡んでいるのです。公示価格は毎年発表されますが、固定資産税評価額は3年に一度見直しが行われます。ちょうど今年(平成15年)は改正の年に該当してまして、見直しが行われます。
つまり、3年に一度しか改定されないため公示地価が下がっても毎年は反映されないことが固定資産税が下がらない理由とされています。
そこで、平成15年度の評価替えに伴い課税の公平の観点から「負担水準の均衡化」を促進することを基本的な考え方として平成15年度から17年度までの間の宅地にかかる税負担について、負担水準の高い土地についてはその税負担を抑制しつつ、負担水準の均衡化を図ることとしています。同時に著しい地価の下落にも対応した措置を講じています。
■5年後には固定資産税が2倍になる?
固定資産税が下がらないことが直接の理由ではありませんが、居住用マイホームについては数々の税制優遇が用意されているのも事実です。諸外国と比較しても圧倒的です。その1つとして固定資産税の新築住宅の減税特例があります。
<特例の内容>
専有部分の床面積が50?以上280?以下(店舗併用住宅では2分の1以上が居住用)の居住用住宅において、当該専有面積の120?までの部分について ・3階建以上の耐火・準耐火建築物(マンションなど)は5年度分 ・その他の住宅(戸建など)は3年度分 固定資産税を2分の1にする (但し建物部分のみで土地は対象外) |
なお、当該軽減特例は平成16年3月31日までの新築がその対象となるため、同年4月1日以降は本則(税額減額なし)となります。合わせて覚えておきましょう。
<補足>
上記特例は新築年月日によって対象床面積が異なり、平成11年1月1日以前の新築では別途「価格要件」が加わります。また、平成16年1月1日までの間に新築された東京都23区内の住宅については、新たに課税される年度から3年度間、床面積に応じて固定資産税と都市計画税(建物部分)が全額あるいは半額減免されます。