そもそも、面接ってなぜするんですか?
面接でしか伝えられないことは何か、よく考えてみよう。 |
企業は、以下の手順で採用計画を作る。
- 人材要件を決める。
経営理念はあらかじめ決まっているので、経営理念に同意できる、どんな「職業能力」の人材を何人取るのかを決める。通常、社内で好業績を上げている人から、「職業能力」を抽出する方法を取る。あえて、社内にはいないタイプの人を一定割合採ることもある。
職業能力とは、以下に大別される(大久保幸夫「キャリアデザイン入門〈1〉基礎力編」より)。なお、この考え方は、公務員の面接でも変わらない。
まず、「3つの基礎力(対人・対自己・対課題)」は、大久保氏のたとえで言えば、「パソコンのOS(Operating System。Microsoft WindowsやMac OS)」。対人基礎力はいわゆるコミュニケーション力・チームワークだ。対自己基礎力は主体性や積極性、規律性、ストレス耐性など、自分をコントロールする力だ。対課題基礎力は、課題や問題に対処する力だ。この記事を読んでいる人なら少なともパソコンを使っているのでわかると思うが、OSが入っていないと、どうしようもない。ソフトすらインストールできない。そんな基本的な力だから「基礎力」と呼ばれるのだ。
次に「処理力・思考力」は、「パソコンのCPU」。いわゆる「地頭」だ。
次に「専門力」は「パソコンのソフトウェア」。ワープロをするならワードなどソフトウェアをインストールしなくてはならないのと同様、その専門な知識やノウハウがないと仕事にならないような力だ。ただし新卒の場合は問われない。これは中途採用、もしくは専門職に問われる力だからだ。新卒の場合、専門力は入社してからインストールすれば良い。
最後に「態度」は「パソコンのバッテリー」だ。どれだけ立派なCPUやソフトが入っていても、電源が切れてたら動かない。「熱意」「意欲」「動機」、そして「価値観」と言った、鍛えられるものではないが、働く上で不可欠の要素だ。
- どのアクションで、その人材要件を測定するか決める。
職業能力(専門力は除く)を、選考にて測定する。まず、「3つの基礎力(対人・対自己・対課題)」は、面接が主となる。適性検査やエントリーシートなどで推察はできるが、これは面接でないと基本的に判断はつかない。特に対人基礎力(コミュニケーション力)は、会わなきゃわかるはずはない。
次に「処理力・思考力」は、テストだ。SPIが代表的。エントリーシートでも最低限の処理力・思考力の有無はわかる。
最後に「態度」だが、これも基本的には面接で測る。最低限の「動機(意欲)」の有無はエントリーシートで判断できる。「価値観」はエントリーシートでは見えにくい。
- 会場を押さえる。面接官を決めて依頼する。
- 告知する。
これで面接の位置づけがわかっただろうか。面接とは、人材要件の中で、面接でしかわからない「職業能力」、すなわち「3つの基礎力(対人・対自己・対課題)」と「態度」を確認する作業と考えよう。もう気付いたと思うが、エントリーシートに書く「自己PR」は「3つの基礎力(対人・対自己・対課題)」、志望動機が「態度」だ。ただし「対人基礎力」だけは、面接のみならず、選考全体で測定されると考えよう。なぜなら、「対人基礎力」が選考において最も重視される職業能力だからだ。言い換えれば、「対人基礎力」が最も測定しやすい職業能力だからだ。
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