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自己PRの書き方!主体性・積極性・忍耐力を伝える

企業はいきなり即戦力としての「主体性」「積極性」「忍耐力」を要求しているのではない。つまり「今それができる人」ではなく、「入社後、成長して、それができる人」を望んでいるのだ。それを踏まえた自己PRの書き方をお教えしよう。

執筆者:見舘 好隆

<目次>
 

自己PRの書き方のポイント

自己PRの書き方!主体性・積極性・忍耐力を伝える

結構、「諦めの悪さ」には誰にも負けない自信がある。しかし、それをどう表現すれば伝わるのだろうか?


今回も自己PR作成について書く。

さて、もし意中の企業が求めている力が「コミュニケーション力」だった場合、エントリーシートや履歴書の自己PR欄に何を書くべきだろうか。それは「自己PRでコミュニケーション能力をアピールするコツ」で述べた通り、は、君が「コミュニケーション力」を持っている事を書かなくてはならない。

しかし当然、企業が求める力は「コミュニケーション力」だけではない。もう一つ、ほとんどの企業が求める力がある。以下の図を見てほしい。
 
企業が求める力


企業が求める力のトップは「コミュニケーション力」である。第3位の「協調性」、第4位の「明るさ」も同じく他人に対して発揮される力だ。しかし、6位の「バイタリティー(vitality=活力・元気・持続力)」、7位の「ストレス耐性(ストレスに対する抵抗力。打たれ強さ・忍耐力)」はどうだろう。その他、「主体性」「積極性」「責任感」「好奇心旺盛」という言葉も企業は求める力としてよく定義している。これらの力は「コミュニケーション力」のように他人に対して用いる力ではなく、「自分をコントロールする力」と定義でき、この力も企業は求めていることが分かる。

では、この「自分をコントロールする力」を前回記したリクルートワークス研究所「基礎力」に照らし合わせてみよう。
  • 対人基礎力
    • 親和力:一緒に働く仲間と信頼関係を築く。
    • 協働力:目標に向けてチームワークを発揮し仕事を進める。
    • 統率力:いわゆるリーダーシップ。組織全体を把握する。
  • 対自己基礎力
    • 感情制御力:感情に流されない。
    • 自信創出力:ポジティブシンキング。モチベーションを持続させる。
    • 行動持続力:率先して行動し、それを習慣付ける。
  • 対課題基礎力
    • 課題発見力:課題に気づき、整理する。
    • 計画立案力:課題を解決するための計画を立案する。
    • 実践力:立案した計画を実行する。
  • 処理力
    • 言語的処理力:文章の要旨を把握し、その目的を理解する。
    • 数量的処理力:計算する、グラフ表を読み取る。
  • 思考力
    • 論理的思考力:収集した情報を組み合わせ、分析し、構造的に理解する。
    • 創造的思考力:全くのゼロから思考する。オリジナリティな発想をする。
「自分をコントロールする力」は、「基礎力」の分類の中では、「対自己基礎力」に位置づけられていることがわかる。「対自己基礎力」は以下の三つの力に分類されている。
  • 感情制御力:感情に流されない。
  • 自信創出力:ポジティブシンキング。モチベーションを持続させる。
  • 行動持続力:率先して行動し、それを習慣付ける。
何となく、「対自己基礎力」とは何かが、見えてきたような気がしないだろうか。もっとブレイクダウンして、それを手がかりに、君の中から「対自己基礎力」を引っ張り出してみよう!
 
※基礎力のうち、「対人基礎力」「対自己基礎力」「対課題基礎力」は面接やグループディスカッションで測定されることが多く、「処理力」「思考力」は、SPIなど筆記試験で測定されることが多い。よって、エントリーシートに書くべき自己PRは、「対人基礎力」「対自己基礎力」「対課題基礎力」を書きべきである。
 

自己PRの書き方「自分をコントロールする力」のエピソードを入れる

「自分をコントロールする力」を表現する視点が、これだけたくさんあれば、しっくりくる言葉が見つかるだろう。それの言葉を自分オリジナルにアレンジすればいい。

「自分をコントロールする力」を表現する視点が、これだけたくさんあれば、しっくりくる言葉が見つかるだろう。それの言葉を自分オリジナルにアレンジすればいい。


対自己基礎力をさらにブレイクダウンすると、以下の項目となる。
  • 感情制御力:感情に流されない。
    • 「セルフアウェアネス」怒り、焦り、不快、不満といった感情を自分で鎮めることができる。
    • 「ストレスコーピング」落ち込むことがあっても、前向きに気持ちを切り替えることができる。
  • 自信創出力:ポジティブシンキング。モチベーションを持続させる。
    • 「独自性理解」自分の強みや持ち味を発揮しながら、物事に取組むことができる
    • 「自己効力感・楽観性」何事もやってみなければわからないと、挑戦的に取り組むことができる。
  • 行動持続力:率先して行動し、それを習慣付ける。
    • 「主体的行動」自らの判断で行動を起こすことができる。
    • 「完遂」多少の障害があっても、一度引き受けたことは最後までやり切ることができる。
「自分をコントロールする力」も、こうやって分けてみると、どれか一つは心当たりはないだろうか。きっとあるはずだ。

さて、例えばとある企業が「チャレンジする力」を求めていたとしよう。きっとその力は「自信創出力」に当てはまることがわかる。よって、その企業に提出するエントリーシートに書くべきエピソードは、「自信創出力」を身に付けたエピソードを書けばいい。

つまり「自信創出力」を説明する2つの要素を見て、自らの研究活動やクラブ・サークル活動、アルバイト、留学などの経験の中から、2つの要素のうちの一つを表現できるエピソードを引っ張り出せばいいのだ。

<例>
  • 「独自性理解」
    (接客アルバイトで)どんな恐いお客様でも笑顔で接客できたエピソード。
    (ゼミ活動のフィールドワークで)自分の特技を活かして、難しい取材を実践できたエピソード。
  • 「自己効力感・楽観性」
    (塾講師アルバイトで)とにかく信じろ、信じてくれたら何とかするいった、何の根拠もなく言いきったことで、逆にうまくいったエピソード。
    (英会話サークル)あれこれ考えるより、少しずつ実践しながら修正した結果、イベントが成功したエピソード。
    (留学で)逆に日本人が全くいない大学を選ぶことで自分を追い詰めた結果、英語力を身につけたエピソード。
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企業はそんな難しい力を要求しているのではない。

もう一度言おう。
企業は「今それができる人」を望んでいるのではない。
「入社後、成長して、それができる人」を望んでいる。

君の過去に確実にあるはずの、その力を発揮したエピソードをアレンジして、伝えるだけの話なのだ。

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