社会人に聞いてみよう。
「今のキャリアは、大学時代に描いていたものですか?」

計画された偶発性
考えてから走るより、走りながら考える方がいい。
キャリアカウンセラーの職に就いて、2年半。たくさんの大学生のキャリアカウンセリングを行ってきた。ほとんどの学生の疑問は「今何をすべきか?」である。この困難な疑問を一緒に考えてきて気付いたことを、今ここであらためてまとめてみたい。

大学生にとっての、キャリアプランとは、一体何だろうか。

例えば、身の回りの社会人に聴いてみてほしい。(医者や法律家、スポーツ選手、芸術家のように長い期間努力しなければ就けない職業を除いた、サラリーマンや企業家、自営業の社会人に)

「今のキャリアは、大学時代に描いていたものですか?」

ほとんどの社会人は「違う」と答えるはずだ。なぜならば、大学生の時に知っていることだけで、自分の未来を描けるほど自分の将来は単純ではなかったし、その可能性は無限でかつ未知であり、そしてそのキャリアパス(そのキャリアに就く道)も無限で未知だったからだ。

もっとわかりやすい例を挙げよう。私のキャリアは以下である。
  1. 大卒後、1990年に旅行会社に入社。最初は人事、その後販売促進を担当し、インターネット広告も手掛ける。
  2. インターネットに目覚めて、1998年にインターネットプロバイダに転職。主に旅行やコンサートチケットのECサイトや、ユーザー同士のコミュニケーションサイトを担当した。働きながら、キャリアカウンセラーの資格を取得、大学院にも通った。
  3. 2005年より、大学にてキャリアカウンセラー。短大の非常勤講師も兼業。
今この記事を読んでいる大学生には想像もできないと思うが、私が学生時代の頃、インターネットはもちろん携帯電話は無かった。しかし、私の前職は「インターネットプロデューサー」であり、旅行やコンサートチケットをネットで予約する仕事を担当し、携帯サイトも構築した。さらに大学に「キャリアカウンセラー」という仕事は無かったし、そもそも「キャリア支援」「キャリア教育」という言葉も当時無かった。にも関わらず、私は今、大学においてキャリアカウンセラーという仕事に就き、非常勤講師として「キャリア教育」の授業を担当している。
つまり、私が大学生時代に、存在すらしないビジネスや仕事に、現在携わっているのだ。

このような現実の中で、闇雲に大学生に、

「自分の将来について考えてみよう!」
「キャリアデザインしよう!」

と問いかけることは、とても無謀で、理不尽では無いだろうか。


では、大学生はどう自らの将来を描けばいいのか。私なりの結論を一言で言えば、「行動して」「行動から学ぶ」ことだと考える。その繰り返しから浮かび上がるものを、「現時点での仮の目標」にすればいいと考える。

そのアクションを一つ一つ説明していきたい。尚、米国スタンフォード大学のクランボルツ教授が提言した「計画された偶発性」と、小樽商科大学の松尾睦准教授が示した「経験からの学習能力」をベースに、アレンジしたものである。

※次のページで、キャリアプランのための5つのアクションを学ぶ!