親の年収との相関を吹っ飛ばせ!
今さら親の教育に対する投資を嘆いても仕方ない。後は自分の力で何とかするしかない。 |
『PRESIDENT』2006.5.15号にそのヒントが載っている。以下は東京大学医学部に在籍するA君の父親のコメント。
「子供の学歴が親の収入で決まるというのは、ちょっと飛躍した考え方だと思いますね。妻も大学職員で共働き。車はずっと軽自動車。特に家族旅行したこともありません。本は思うように買ってあげましたが、ゲームやマンガなどは我慢させました。教育費が苦しいと言う人の家にはゲームがあったり、高級自動車があったりするものです。ウチはともかく、なんとかやりくりして子供たちの教育にお金を掛けました」
実際、『PRESIDENT』2006.5.15号掲載の前述したアンケート結果も、父親が高卒(16%)、塾や予備校に通っていない(16%。塾のみも26%)、習い事にも行っていない(9%)だ。よって、親の年収が全てではなく、どちらかと言えば「親の教育への意識」の方が大切だと言えよう。
さて、大学生自身はどうしたらいいか。もう分かっていると思うが、東大生以上に勉強するしかないと思う。アルバイト代も書籍につぎ込み、履修した授業をすべて最高評価を取る気概で勉強して、東大生と同じ学力をつければいいのではないか。
「二流の大学で好成績を修めても、仕方ないのではないか?」
いや、「本当に入学偏差値と就職は関係するのか?」で前述したが、「大学での成績」と「就職活動に対する自己評価」が相関することが明らか。だからこそ、東大生と同じ面接で対峙した時に、戦える「力」を獲得すべきなのだ。その「力」とは、「成績」ではなく、一生懸命学んだプロセスで身につけた「力」なのだ。また、その「力」は入社後の仕事にも発揮されるからこそ、人事は面接というプロセスでその「力」の有無を測るはずなのだ。
『PRESIDENT』2006.5.15号にこんな記述がある。人事部の社員の覆面対談だ。
「やはり柔軟性を持って物事を考えられる人材が必要だ。(中略)要は過去の経験から学んだ先見性が加わり、その判断を通じて成功体験的なものが得られる確率が高い人が周囲に『彼はできる』と思われるのではないか。」
今さら親の教育に対する投資を嘆いても仕方ない。逆に今の大学へ導いてくれた投資に感謝すべきであろう。後は自分の力で何とかするしかない。とりあえず、大学入学前の学力は負けたとしても、大学在籍中に獲得できる学力はキャッチアップし、彼らを凌ぐ、獲得した知識を活用する「柔軟性」を獲得する努力をすればいいのだ。
差をつけるのは学力そのものではない。獲得した学力を仕事に活用する力なのだ。
※次のページで、大企業の人事の学歴差別を吹っ飛ばせ!
※ここであえて「良い成績を目指せ」と言ったのにはわけがある。記事「授業を通して企業が求める力を得る!」で述べたが、企業は課外活動をほとんど評価しないからだ。それは「本当に入学偏差値と就職は関係するのか?」で引用した表を見ても明らかだ。部活動やアルバイトを否定しないが、力を注ぐなら授業が最も効率的である。
※教授陣に差があるなんてとぼけた事を言わないように。入学偏差値に関わらず、東大の先生に負けないその道に長けた先生は絶対にいるはずだ。
※教授陣に差があるなんてとぼけた事を言わないように。入学偏差値に関わらず、東大の先生に負けないその道に長けた先生は絶対にいるはずだ。