立命館大学院
「キャリアデザインプログラム」
「立命館大学大学院」 シラバスとコンピテンシーを直結させた好例。学ぶべき点多し。 |
- 自己認知
アセスメントやグループワークで、自分の価値観や志向性、コンピテンシーなど、自分のやりたいことへのこだわりを手掛かりに、目標とする仕事の候補をいくつか選ぶ。
- フィージビリティ・スタディ
1で確認した自分のキャリアデザインをベースに、自分が持つ価値観や知識、コンピテンシーと、目標の仕事で必要とされる価値観や知識、コンピテンシーを照らし合わせる。そして、候補を決定する。
- 履修
必要な知識やコンピテンシーを身につける講義を、シラバスを元に選択する。その際、シラバスにはその講義で獲得できるコンピテンシーを読み解くキーワード集が用意されている。
※分析力…多くの要素が絡み合っている複雑な問題の構造を分析する方法を学ぶ
※判断力…扱った問題に対する現時点での自らの立場を明確にし、まとめる
修士課程の場合、企業への就職活動が始まってしまう。博士課程に進むのか、卒業し企業や教育機関で研究者となるのか、それとも一般企業にて研究者以外の道へと進むのか、早期の決定が強いられる。よって、4月の時点で将来の進路を意識した履修をし、将来必要となる基礎力を身につけるべきだという現実から捻り出されたプログラムだ。つまり、履修する講義を決める4月より2ヶ月早い2月に、大学院入学予定者対象にCDPを開催している。スタートしたのは2004年2月(対象:2004年4月入学予定者と、当時の1年生)。現在の2年生の就職先はほぼ全員就職先が決まり、例年の就職率を上回った。
立命館大学院部長・日下部吉信教授は語る。
「そもそも、専門知識と基礎的な力は切り分けて養えるものではないでしょう。2年間の研究活動で専門知識を得る中では、課題発見力や論理的な思考力なども同時に養われており、こうした力も社会で評価されるのです。今後は、こうした観点から総合的に力を身につけることを重視していきたい」(『Works』2005.12-2006.01号)
「企業が求める力」は基本的に授業で身につけるべきものだということを、教えてくれる好例だ。
※次のページで、「企業が求める力」は、授業で獲得するのが、王道であることを学ぶ!