大学生の就職活動/就職活動での業界・企業研究

就職活動 会社選びのキホン(2ページ目)

業種や知名度だけで会社選びをしちゃダメだ。一定期間、その会社の社員と一緒に働き、その会社の商品を取り扱いうことができるのか。会社という環境を活用して、自らが成長できるのかという視点が大切なのだ。

執筆者:見舘 好隆

成熟モードの会社のチェックポイント

会社選び
業種や職種にこだわってはいけない。もっと大切な何かがある。
最近、不祥事・偽装が流行っている。どんな大企業でも、有名でも、歴史があっても、関係ない。すぐに謝って改善すれば生き残れるが、少しでも躊躇すれば致命的、自己破産になる。その会社の社員は、そんな会社を選んでしまった自分の不幸を呪うしかないのか? そんな会社を選ばなくて済む方法はあるのだろうか。

リンクアンドモチベーションの社長、小笹芳央さんは『会社の品格』の中で、「組織の品格」を脅かす症状をまとめている。つまり、会社研究のチェックポイントとして活用しよう。

さて、成熟モードの会社、いわゆる大企業や歴史ある企業などのチェックポイントはどこだろうか。

  1. 顧客視点の欠乏
    赤福やパロマ、三菱自動車などの不祥事が共通することは、「顧客を無視している」ことだ。利潤を重視し、顧客の方を向いていない結果だろう。特にロングセラー商品を持っている企業が陥りやすい。その商品やサービスがちゃんと顧客を向いているのかの視点で考えてみよう。
     
  2. 当事者の不在
    カネボウの粉飾決算や厚生労働省のC型肝炎問題など、当事者が自分の任期内に解決しようと思わない風土のことを指す。また、リスクが多い新規事業や新しい商品への挑戦もしなくなる。自分の任期内はとにかく失敗したくない「事なかれ主義」の横行だ。上層部の頭が固くないかどうか、先輩訪問などで確かめてみよう。
     
  3. 既決感の蔓延
    前者とよく似ているが、今度は一般社員自身も「どうせ新しいことを提案しても無理だから」と思っていないかどうかの視点である。例えば博多吉兆も、賞味期限を伸ばす社員やパートのみなさんが、「やっぱりおかしいと思う」と言える雰囲気ではなかったことに問題がある。先輩訪問などで、ざっくばらんに上司と話が出来るのかどうか、その社員がリスクテーキングできているかで判断してみよう。
     
  4. セクショナリズムの横行
    これも古い会社、特に国や地方公共団体に多いと思う。セクションの間に落ちた課題を誰も拾おうとはしないし、他部署から協力の依頼をしても「上を通してください」となるような雰囲気だ。例えば日産自動車は、このセクショナリズムを打開するために、部署横断型のクロスファンクショナルチームを導入し、V字回復を果たした。これも先輩に聞いてみよう。


※次のページで、拡大モードの会社チェックポイントを学ぶ!
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