大学生の就職活動/就職活動での業界・企業研究

就活面接 お礼状の書き方(3ページ目)

面接だけで人事は内定を出さない。面接以外の「心遣い・気働き」も要因の一つ。その振る舞いの一つがお礼状であり、「すぐに・自然に」書けたお礼状だけが、君の魅力を輝かせ、内定獲得へと結びつくのだ。

執筆者:見舘 好隆

自己表現は語彙(ボキャブラリー)で決まる!

お礼状
お礼の言葉も、どこかで借用した定型文では逆効果だ。普段から使いこなしておこう。
感謝を伝えるのも、お詫びをするのにも、語彙(ボキャブラリー)が重要である。もちろん、表情や声の大きさ、抑揚、速度などなど、さまざまな工夫も大切だが、それ以上に大切なのはその思いを伝える言葉自体である。さらに手紙やメールになると、前述した「タイミング」を除けば、文章そのものの表現力が全てとなる(手紙だと、文字や便箋、切手などでも工夫できるが)。

最近の学生は、特にこの自己表現のレパートリーが、とても貧弱に感じる。先日、コミュニケーションの授業の中で、「アサーション(爽やかな自己表現)」を教えた。自己表現には以下の3つの表現がある。みなさんはどうですか?と聞いたところ、「非主張的」が最も多かった。
  1. 非主張的(non-assertive)
    自分を抑えて、相手を立てる。文字通り、「黙る」「譲る」「言いなりになる」「とりあえず波風を立てない」「自分を軽視する」自己表現。言い換えれば「自分を他人に知らせていない」状態。
     
  2. 攻撃的(aggressive)
    文字通り、「言いたいことを言う」「自分を通す」「相手を尊重しない」「相手を操作する」自己表現。言い換えれば「相手のキモチを考えない」状態。
     
  3. アサーティブ(assertive)
    「自分の気持ち・意見を言いつつ、相手の言い分にも耳を傾ける」自己表現。
自己表現に挑戦していなければ、当然バリエーションは増えないし、修正もできない。3つ目の「アサーティブ」な自己表現を獲得するには、アサーティブな表現を用いようとする意識と、経験が必要だ。どうやって感謝を伝えればいいのか? どうやって謝罪すればいいのか? 当然相手によってもケースによっても違ってくる。よって、短期間では身につけることができない。

つまり、お礼状を出すという行為は、
  1. すぐに出すべきだと思っている。
  2. 的確に自己表現ができる。
この意識と力を持つ学生でしか、活用できない手段なのだ。ただ、内定欲しさに書いても、すぐに書けなかったり、微妙な気持ちを表現できず、人事は素直に喜んではくれない。ただ、白々しく思うだろう。ただ書けばいいってものではないのだ。前述した、面接1回で内定を取った学生が出したお礼状は、きっとその意識と力を内包していたからこそ、人事の心に響いて、好結果につながったのであろう。

「じゃあ、タイミングの重要性の理解も、自己表現のバリエーションも少ない学生は、一体どうすればいいんですか?」

諦める必要はない。今から両方を意識して、日常生活にも取り込んで、マスターすればいい。もちろん、短期間では難しいけど、コツコツ努力すれば、少しずつでも向上する意識と力なのだから。

「タイミング」すなわち「すぐ」伝えることは、今日から自らのルールにすればいい。手書きのポスターでも作って部屋に貼ろう。

「自己表現」は、今日から集めて使うことを意識すればいい。集めるには本を読むことと、友達や知人に聞くことだ。授業やテレビからも学べるだろう。次にその言葉をメモして保存することだ。聞いて「いい表現だなあ」と思っても、使わなければすぐ忘れるだろう。それを防ぐために、メモ帳に「いい言葉」をメモする癖をつければいい。書くことで人は記憶する。そして記憶された言葉の数が、自己表現のバリエーションを多彩にするはずなのだ。

※次のページで、すぐに・自然に自己表現ができることを、日々目指すことを学ぶ!
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