自己表現は語彙(ボキャブラリー)で決まる!
お礼の言葉も、どこかで借用した定型文では逆効果だ。普段から使いこなしておこう。 |
最近の学生は、特にこの自己表現のレパートリーが、とても貧弱に感じる。先日、コミュニケーションの授業の中で、「アサーション(爽やかな自己表現)」を教えた。自己表現には以下の3つの表現がある。みなさんはどうですか?と聞いたところ、「非主張的」が最も多かった。
- 非主張的(non-assertive)
自分を抑えて、相手を立てる。文字通り、「黙る」「譲る」「言いなりになる」「とりあえず波風を立てない」「自分を軽視する」自己表現。言い換えれば「自分を他人に知らせていない」状態。
- 攻撃的(aggressive)
文字通り、「言いたいことを言う」「自分を通す」「相手を尊重しない」「相手を操作する」自己表現。言い換えれば「相手のキモチを考えない」状態。
- アサーティブ(assertive)
「自分の気持ち・意見を言いつつ、相手の言い分にも耳を傾ける」自己表現。
つまり、お礼状を出すという行為は、
- すぐに出すべきだと思っている。
- 的確に自己表現ができる。
「じゃあ、タイミングの重要性の理解も、自己表現のバリエーションも少ない学生は、一体どうすればいいんですか?」
諦める必要はない。今から両方を意識して、日常生活にも取り込んで、マスターすればいい。もちろん、短期間では難しいけど、コツコツ努力すれば、少しずつでも向上する意識と力なのだから。
「タイミング」すなわち「すぐ」伝えることは、今日から自らのルールにすればいい。手書きのポスターでも作って部屋に貼ろう。
「自己表現」は、今日から集めて使うことを意識すればいい。集めるには本を読むことと、友達や知人に聞くことだ。授業やテレビからも学べるだろう。次にその言葉をメモして保存することだ。聞いて「いい表現だなあ」と思っても、使わなければすぐ忘れるだろう。それを防ぐために、メモ帳に「いい言葉」をメモする癖をつければいい。書くことで人は記憶する。そして記憶された言葉の数が、自己表現のバリエーションを多彩にするはずなのだ。
※次のページで、すぐに・自然に自己表現ができることを、日々目指すことを学ぶ!