大学生の就職活動/就職活動での内定から入社まで

内定取り消し・内定切りへの対処法(3ページ目)

内定を取り消されても、絶対に同意してはいけない。まず周囲の人や専用の窓口に相談すること。そして企業と交渉すること。最後に自らの将来のための、最高の選択肢を選ぶ努力をすることが大切なのだ。

執筆者:見舘 好隆

「内定取り消し」とは法律的に何か?その2

内定取り消し
ショックで辛いと思うが、まずは法律上どうなのかを確認しよう。
さて、この「労働契約」だが、中途採用とは違って、新卒の内定者の場合は「始期付解約権留保付」雇用契約となる。「始期付き」とは、入社予定日である4/1からという意味である。ポイントは「解約権留保付」である。通常の解雇理由より、内定者固有の解約があるよという意味だ。

労働基準法第18条および労働契約法第16条に明記されているように、解雇は、客観的に合理的な理由が必要である。この「客観的に合理的な理由」とは一般的に以下の4つである。

  1. 労働者の労務提供の不能や適格性の欠如・喪失
  2. 労働者の規律違反の行為
  3. 経営上の必要性に基づく理由
  4. ユニオンシップ協定(会社と労働組合の契約)に基づく理由

内定者であるから、4は無く、1~3が理由となる。

  1. 労働者の労務提供の不能や適格性の欠如・喪失
    内定者固有で最も可能性が高いのは、単位不足で卒業できなかっただろう。その他、病気や怪我などで期待される仕事ができそうにないなど。
     
  2. 労働者の規律違反の行為
    入社までに何か犯罪を犯すなど、就業規則における懲戒解雇に該当するケース。例えば大麻を吸って逮捕されたとか、履歴書の詐称など。
     
  3. 経営上の必要性に基づく理由
    これが今回のメインテーマである。

この3「経営上の必要性に基づく理由」が「合理的」で、内定取り消しが有効になる要件とは、一体何だろうか。

※次のページで、「内定取り消し」に必要な経済的理由とは?何かを学ぶ!
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