最終面接で社長が登場しているか?
ブックオフの最終面接の面接官は、坂本社長だ。坂本社長はここまで上がってきた学生を落とすことはしない。つまり面接をするのではない。1時間ほど、一緒に春から働いてくれるかもしれない学生と、熱く語らうのだ。一緒に歌を歌うこともあるらしい。通常、最終面接はそのまま言葉どおり「最終判断の場」か、本人の意志を確認する「意思確認の場」のいずれかだ。しかしブックオフの最終面接はどちらでもない。「意思確認の場」の更なる上、「将来の夢を語り合って、やりたいことと現実とのずれを修正する場」にしているのだ。
実際、私宛にも「本当にこの会社に決めていいのか不安だ」という相談がよく来る。そんな時私は「フィージビリティ・スタディ」をしよう!とアドバイスをしている。つまり、実際働いてる先輩と会ったり、職場を見ることで、その会社で働いている自分の姿が想像できるかで判断しようという事だ。最後は自分で決めなくてはいけないのだから、「フィージビリティ・スタディ」は必須の作業。
そこでブックオフは、最終面接で坂本社長と約1時間も語らうことで「フィージビリティ・スタディ」の場を学生に提供しているのだ。これは学生にとってかなりありがたいこと。だって「なぜこの会社に決めたのか?」と自分に問う、もしくは家族に問われた時、「社長と語り合って入社を決めた」以上の答えがあるだろうか。ライバル会社の社長と1時間話する機会が得られない限り、同じレベルの「フィージビリティ・スタディ」はできない。さらにブックオフにとっても、学生自身が「本当に頑張ることができるのか」を真剣に悩んで入社を決めてくれるのだから、願ったり叶ったりなのだ。
この当たり前の事実。もし最終面接に社長が出てこないなら、入社を悩んだ時、プライオリティを少し下げてもいいかもしれない。
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以上のように、その会社の本音が、会社説明会や面接に参加してみて初めて見えてくること、わかってもらえましたか? もし、今まで会社案内の文章や、業種や職種だけで会社を絞っていたのなら、やり方を変えてみるのも悪くない。一切会社案内や業種・職種に惑わされず、時間が許す限りとりあえず会社説明会に参加してみて、社長の本音を聞いてから会社を絞る方が現実的かもしれない。その本音を聞いて「ここだ!」と思った会社を第一志望にした方がいいかもしれない。
一番悲しいことは、入社してから「やりたいことと違う!」と早期退職すること。
二番目に悲しいことは、本音を聞かずして入社を会社を決めること。
本音を教えてくれる会社こそ、みなさんにとって働きやすい会社であるはず。
だって本音を知った上で、みなさん自身がその会社を選んだのだから。
※坂本社長は最終面接において、現場の責任者が採りたいと思った学生と話すことで、今現場で求められている学生象を把握し、自分のイメージと現場とのずれを修正する作業も行っている。確かに現場が求めている学生と、自分が採りたいと思う学生がずれているなら、自分自身のマネジメント自体が、現場に浸透していないことを意味するからだ