よって面接は、そのままの自分を提案する、能動的な行為
面接官として一番聞きたくないのは、「棒読み自己PR」です。なぜなら、それは履歴書やエントリーシートに書いてあるからです。そして何より、聞いていてなーんにも面白くない。
「え~、だって内容が同じになるのって仕方ないでしょ!」と思うかもしれませんが、まず社会人はそんな失礼なことはしません。読めば分かることを話すのは時間の無駄です。読むだけじゃ伝わらない、「話すからこそ伝わる」ことがなければダメなのです。例えば、エピソードを表情や身振り手振りを加えてリアルに話したり、エントリーシートには書かれていない違った切り口でPRしたり、最近のニュースや店舗見学で得た情報などを新ネタとして加えたり、とにかく「聞き手を面白がらせよう」「何としてでも伝えよう」とする熱い意志を前提にPRをしなくてはいけないのです。その意識を持っていれば、「棒読み自己PR」には決してならないはずなのです。
というわけで、その意識を持つかどうかで、「何でも好きなことを話していいよ」という質問に対峙したときの強さが全く違ってきます。
「面接は受身だ!受験だ!」と思っている学生は、この質問を受けた時点でたじろぎ、自滅するでしょう。用意してきた「棒読み自己PR」を読めば、面接官はきっと頭を抱えるでしょう。君は弊社に入ってお客様と話す時も同じことをしてお客様を呆れさせる気かと。
「聞き手を面白がらせよう」「何としてでも伝えよう」とする熱い意志を持つ学生なら、きっと「ラッキー!」と思うんじゃないかな。例えば、面接官に聞きたかった質問をしたり、御社に入ってやりたい話をして、一番伝えたい「御社に入りたい」意思を伝えきるでしょう。
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彼女はこう語りました。
「毎回の面接で話すような、決まりきったセリフを言ってしまう自分、そんな自分がとてもつまらなく、むなしく思えてしまった面接でした。そんなセリフが聞きたいわけではない、という思いが、面接官の方の笑顔の裏にあったことは、確かです」
彼女はこの面接の経験で、きっと大きく伸びるでしょう。
みなさんも同じような失敗をしていませんか? 面接官からの質問に合わせる自分はもう捨ててください。面接はそのままの自分を提案する、能動的な行為なのです。