マーケティング無しに、内定は取れない時代なのだ。
何となく受けてもダメだ。まずマーケティングを行って、確実にヒットするプランを創るべし! ※写真提供:FotoStyles |
ソニー中期経営方針のポイントは以下の4つ。
- カンパニー制を廃止
- 平成19年度末までに2000億円のコスト削減
- 3400億円の設備投資
- 米・中にソフト開発拠点
ソニーの低調は、みなさんもお気づきの通り、時代の変化のスピードに対応できなかったことに原因がある。その一例が、ウォークマンがアップルのipodの後塵にまみれたことだ。ソニーはソニーミュージックエンタテインメント(SME)をグループ会社に持っているし、「Mora」「MusicDrop」といった音楽ダウンロードサイトを持つレーベルゲートにも出資している。にも関わらず、その連動によるシナジーを追求しなかった。著作権保護やMDウォークマンの売上維持といった、硬直した縦割り組織の悪弊だ。さらに今だSMEはアップルのダウンロードストア「iTunes」に音楽提供していない。SME所属のアーティストにしてみたらとても迷惑だし、何よりもiPodユーザーがSMEの曲を楽しめないなんて、ソニーらしくない話だ。
日産自動車をはじめ、数々の大企業が構造改革に着手しなくては生き残れなくなったこの時代。ここで気が付くことは、新卒採用における人材ニーズも当然ながら変革されつつあるということだ。変革の時代だからこそ、旧態依然とした就職本や就職支援プログラムに頼っていても、内定は取れない。自己PRひとつにしても、今までどおり、志望会社のサービスに携わりたいでは、知らずにそれが的外れになる可能性がある。例えば「ソニーでQRIOのようなロボットの開発に携わりたい!」と伝えても、先日の経営改革プランでは、QRIOは精算対象になっている。もう、その会社の商品やサービスを志望動機にすることさえ危険な時代なのだ。
じゃあ何をPRすればいいのか? そう、今企業に求められる人材は、「変化に対応できる学生」なのだ。そしてその「変化対応力」は、就職活動においても発揮されるものなのだ。ひいては自らのキャリアプランも、山頂を目指す山登り型キャリアップ志向ではなく、激流を筏で下るが如く時代に対応し絶えず修正していくキャリアプランでなくてはならないのだ。
さて、企業のニーズに合った就職活動とは、一体何だろうか?
キーワードは「マーケティング」。
「マーケティングとは、個人やグループが製品や価値をつくりだし、それを他社と交換することによって必要としているものや欲しいものを獲得するという社会的かつ経営的プロセスである。」(出典:『マーケティング原理 第9版―基礎理論から実践戦略まで』フィリップ コトラー)
ここでいう「製品・価値」がみなさんの「人材的価値」だ。「必要としているもの・欲しいもの」が「内定」だ。今回は「内定獲得戦略」をマーケティングに基づき方法論を組み上げ、実践する戦略を述べてみたい。
※次のページで、企業理念と経営理念をまずチェックすることを学ぶ!