でもフリーターにはいろんな種類があることを忘れてはいけない。
「最近、大卒フリーターが増えてるんだけど、東京大学にもいるのかなあ?」
友人の元東大生に、こんな質問をしてみた。すると彼はこういった。
「記憶の糸を辿ったけど『何かをするという意図がなく仕事をしていない同窓生』は居なかった。何かの資格を取ろうと勉強するヤツ、留学したがってるヤツ、ポスドクなヤツ、仕事をしてないとも言えるヤツはたくさん居たけど、みんな目的がある。『遊学』してるヤツも居たけど、その後仕事はしている。」
つまり東大生にもフリーターはいる。でも彼の周りには「とりあえずフリーター」はいなかったということだ。
(写真提供:FotoStyles)
- フリーター人口…417万人(21.1%/2001年)
※内閣府『国民生活白書』より。21.1%は15~34歳人口におけるフリーター割合。厚生労働省『労働白書』(2003年)では217万人と発表されている。この差は前者には派遣・契約社員が含まれているため。後述するが契約社員や派遣は確かに有期雇用であり、ある意味フリーターだが、特に契約社員は正社員に限りなく近いので、厚生労働省の数字がリアルだ。 - 大卒・短大卒業生のうち、フリーター…18万人(27.7%/2003年)
※文部科学省『学校基本調査』より。2003年度の大学・短大卒業者数は65万人。よってフリーター率は27.7%であり、4人に1人はフリーターになっている。
でも、「とりあえずフリーター」だけはダメだ。そのメッセージをいろんな切り口で考察しながら、伝えたいと思う。
- フリーター増加の大きな原因の一つは、企業の採用抑制。
- 企業はフリーターをこき使うわりに、フリーター経験を評価しない。
- フリーター経験を評価する会社もある。
- 卒業してからもフリーターで、やりたいことを探すのは、非効率的である。
- 「やりたいこと」を試す作業を、大学生時代に行うことがベストだ。
- 【資料】最近の大学生のアルバイト事情
※次のページで、フリーター増加の大きな原因の一つは、企業の採用抑制であることを知る!
※ポスドク…博士課程修了後の研究者(博士研究員)のこと。2年や3年などの有期契約であり、その間研究に専念できる。