テープ起こしに向いている人、いない人
新聞を毎日読むことは必須。情報だけでなく漢字や読みがなの勉強にもなる |
・国語が得意
・情報を検索したり、調べたりするのが好き、得意
・新しい話題や情報を常に追いかけている
・新聞やニュースを毎日見ている
・聞いたことがない言葉でも正しく調べられる
・語彙を沢山知っている
・人の声を聞き分けることが得意
・守秘義務を厳守できる
今回、向き不向きという話題でお話を伺ったのが、「ゼロから学ぶテープ起こし」(発売:主婦の友社)の著者でもある廿里美氏。(廿さんには後日クローズアップインタビューを行う予定です!)廿さんいわく「大切なのは言葉を正しく検索できる力」だと言います。音声のみでの情報を、話しの内容や展開にあわせながら、文章内において「正しい意味を持つ言葉」に変えていくのは、実はとても難しい作業なのです。私の講演を廿さんに起こしていただいたことがあるのですが、その時の例がありますのでご紹介します。
例「エー、ジツハワタシノジッカノハハガ、カナガアワ カラアソビニキテオリマシテ~」
この一文、皆さんならどう文章にしますか?
「えー、実は私の実家の母が、神奈川から遊びにきておりまして~」
通常の場合は、聞こえたまま上記の通り書いてしまうかもしれません。しかし、これは間違いなのです。講演当時、私が住んでいた場所は神奈川県、これは講演のプロフィールにも紹介されています。神奈川に住んでいる人間が、「実家の母が神奈川から遊びにきた」と言うでしょうか?この点に疑問を感じた廿さんは、テープを何度も聞き直します。神奈川県には「神奈川区」という地域があるが、町名として「神奈川からきた」とは使われていない。これはおかしい。「神奈川」ではなく「金沢」ではないだろうか。そして、さらに私の経歴などを調べ、出身が「石川県金沢市」であることまでつきとめます。そして文章を、
「えー、実は私の実家の母が、金沢から遊びにきておりまして~」
と変更しました。そう!これが私が正しく話した内容なのです。テープをリライトする時に起こしやすい間違いは、耳で聞いた言葉を「思い込み」で書いてしまい、情報検索、裏付け調査をしないこと。耳だけで聞いているわけですから、言葉は「音」になっています。それを正しい「文字」または「文章」に直していくのが、テープ起こしの仕事。ただ聞こえたままを書けば良いわけではないのです。
テープ起こしに資格はいらない
基本的にはテープ起こしに資格はいりません。通信講座などで学んだ知識は、自分のスキルにはなりますが、学んだからといって仕事がくるわけではありません。仕事に興味があるが、何から始めたら良いかわからない方は、まずテレビのニュースを録音し起こしてみましょう。仮に30分録音したとして、起こすのに何時間かかるか測ってみて下さい。目安として、ニユースのアナウンサーのような「録音状態が良く、発音が明瞭」なテープ60分だと、プロは3時間から4時間で起こすそうです。そして、廿氏の「ゼロから学ぶテープ起こし」(発売:主婦の友社)を、まず実際にやってみることをおすすめします。その後に、高価な通信講座を選択しても決して遅くはありません。テープ起こしで重要なのは「正しい日本語が使えるか」と「情報検索」。情報検索をいかに上手くできるか、リアルタイムでの情報をつかみながら、国語力をアップさせること。これが作業をスムーズにすすめるコツといえるでしょう。ガイドサイトINDEXに参考となるホームページをご紹介していますので、ぜひこちらもご活用下さい!
※テープ起こしは、テープライター、反訳者など、複数の呼び方がありますが、本記事ではテープ起こしに統一させていただきました。
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・テープおこしのポータルサイト okoso(オコソ)
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