■受給条件の一つ、被保険者期間が6か月に短縮
■派遣労働期間は雇用保険加入期間と同じ?
■派遣契約を結んだ会社数で条件が変わる
雇用保険法が改正され、受給条件に満たないと悩んでいた方に朗報です |
受給条件の被保険者期間が6か月に短縮
派遣契約が更新されず、次の仕事探しに苦労している派遣労働者のニュースが未だ報道され、不安な状況が続きます。昨年度末から検討されていた、雇用保険法の改正がこの春成立。特に大きな改正点は、失業保険を受給するための条件の一つである雇用保険の被保険者期間が、これまでの1年から6ヶ月へと大幅に短縮されました。
ただし、「有期労働契約が更新されなかったことによる離職者」には適用されますが、自己都合で離職した場合はこれまで通り被保険者期間が1年となりますので注意が必要です。
派遣契約はほとんどが短期契約で、それを継続的に更新していく形をとる場合が多いため、雇用保険の被保険者である期間が1年に満たないケースも多くあります。今回の雇用の被保険者期間の条件変更により、いわゆる「派遣切り」にあった派遣労働者は失業保険の受給条件を満たしやすくなりました。
厚生労働省の発表によると、昨年からの不況の影響で派遣契約が更新されなかった派遣社員は約31,000人(平成20年11月以降平成21年3月13日時点で把握できたもの)。そのうち、契約期間が1年を超えるのはわずか18.8%で、残りの81.2%は1年以内の契約期間となっていたそうです。1年以内の契約期間の内訳は、6ヶ月を超え1年未満が43.1%、3ヶ月を超え6ヶ月以内が25.1%、1ヶ月を超え3ヶ月以内が11.8%、1ヶ月以内が1.2%でした。
1年というこれまでの条件下では派遣契約も更新されず、次の仕事のめども立たず、失業保険も受け取ることができない状況に置かれてしまう人が少なくないだろうということです。そこで6ヶ月に短縮して受給条件を満たす人を増やす措置が取られたのでしょう。
受給条件には、この他にも現在の就業状況に関する条件、求職の申し込みに関する条件があり、以前の記事「派遣切り」どう乗り切る?派遣の失業保険で詳しく説明しています。
さて、6ケ月間派遣社員として働いた後に派遣契約が打ち切りとなった場合はどうなるでしょうか。その場合、必ずしも失業保険を受給できるとは限りません。派遣社員の契約期間と雇用保険加入期間は、必ずしも同じではないからです。ここを抑えないと泣きを見ることに……。
次のページで詳しくお話しします。