短期派遣以外は事前に起業担当者と「顔合わせ」「面談」がある
派遣会社から紹介された仕事の条件が気に入り、就業に向けて話を進めようとしたところ、派遣会社から「一度企業を訪問しましょう」と言われ、「何をするんだろう?」と不安に思ったことはありませんか?一般に会社に就職する前には「面接」がありますが、派遣の場合「面接」は禁止されています。
では、派遣の場合、仕事が紹介されてすぐに就業するのでしょうか?実際には、1ヶ月程度の短期の仕事やそれ以上の長期的な仕事の場合、就業前に業務の打ち合わせを行う目的で派遣先会社を訪問し担当者と会ってスキルを伝えたり、簡単な自己紹介をしたりしておく「顔合わせ」をするケースが多くあります。一方、1日から数日の単発の仕事の場合は、「顔合わせ」なしですぐに就業するケースがほとんどです。
各派遣会社は事前の企業訪問のことを「顔合わせ」「面談」「面接」「会社訪問」など、様々な表現をしています。その是非については、法律も含めて議論が行われていますが、今回は「顔合わせ」の流れそのものに注目し、あわせて3つのポイントをお話しします。
派遣の面接代わりになる「顔合わせ」では何をするの?
派遣で就業する前に行われる「顔合わせ(面談)」の主な目的は、派遣先企業の担当者と実際に会い、業務に関する打ち合わせを行うことです。こちらからは、これまでの職歴を簡潔に伝えます。学校名や未婚、既婚などの個人情報は話す必要はありません。また「面接」ではありませんから、訪問するのは一度だけです。「顔合わせ」日時のアレンジは派遣会社の担当者が行いますので、直接派遣先担当者と連絡する必要はありません。担当者と会って話をする形式は一般の採用面接と似ていますが、「顔合わせ」が大きく違うのは、派遣先企業担当者に一人で会うのではなく、派遣会社の担当者が同席する事です。
その場で派遣会社の担当者が、企業が派遣社員に求めるスキルと今回紹介する派遣社員が持つスキルや職務経験が合致し、即戦力であることを説明します。言いかえると、「顔合わせ」では自分の推薦者が横にいてサポートしてくれるのです。
しかし、派遣会社の担当者はあなたの仕事ぶりを直接見てきたわけではありませんから、事前にスキルや前向きな気持ちについてアピールしておくことが大切です。さらに、一番大切なのは自分のスキルを自分の言葉で話せることですので、事前に職務経歴を再度振り返っておくことをお勧めします。では、次から一般的な「顔合わせ」の流れを見てみましょう。
営業事務として派遣された場合の「顔合わせ」:流れ・内容・質問例
日時 ○月×日 11時場所 表参道駅から徒歩5分のIT企業
10時45分
表参道駅で、派遣会社の担当者と待ち合わせ。
10時50分
企業が入っているオフィスビルに到着。顔合わせ開始まで、ビルのロビーで派遣会社の担当者と打ち合わせ。顔合わせ時に企業担当者に渡す「スキルシート」を一読し、内容に相違がないかを確認。企業担当者の女性が2名が顔合わせに参加し、ざっくばらんで気さくな感じの女性との説明を受ける。
11時00分
会議室に通され、すぐに企業担当者の女性が入室。派遣会社担当者に続いて氏名を名乗り、最後に企業担当者が挨拶。席をすすめられ、着席。派遣会社担当者が先ほどのスキルシートを企業担当者へ渡す。手元にも同様のものを一部もらう。
スキルシートを見ながら職務経歴を自己紹介。派遣会社担当者が、派遣先企業の求める業務スキル(エクセルを使用したデータ管理を含む営業事務)と経験が合致することを説明。企業担当者が、職務経歴やスキルについて質問。
■質問の例
- エクセルでV-Look upは使えますか?
- 以前に経験された資料作成は社内向けですか、社外向けですか?
- 女性が多い職場ですが気になりますか?
各質問に回答。最後に「何か質問があれば」と聞かれる。
■逆質問の例
- 業務の流れについて
- 業務上特に求められるスキルは何か
- 残業の度合い
- 決まった曜日に定時に帰ることが可能か
- 職場の雰囲気
- 勤務スタートは具体的に何日か
各質問に回答頂く。
11時30分
顔合わせ終了。お礼を伝え退室。
退室後は、派遣会社の担当者ともその場で別れます。「顔合わせ」の時間はおよそ20分から30分が目安でしょう。それでは失敗しない「顔合わせ」のポイントをチェックしてみましょう。
失敗しない派遣の「顔合わせ」:3つのポイント
「顔合わせ」の内容のイメージはつきましたか?職場環境や仕事内容など、自分らしく働ける環境かどうかをしっかり確認することは大事ですよね。では、自分のスキルをより生かせて就業後のトラブルをなくす、失敗しない顔合わせのポイントを3つ紹介します。■失敗しない顔合わせポイント1:服装
当日は、スーツを着用し、身だしなみを整え、第一印象アップを心がけましょう。第一印象の大切さに関連して以前の記事、派遣会社を味方にする!もあわせて読んでみてくださいね。
■失敗しない顔合わせポイント2:事前準備の必要性
落ち着いて望むために、当日までに以下について事前準備をしておきましょう。
- 簡単に自己紹介、職務経歴を話す練習
- 派遣先の企業についてホームページなどを見て情報を入手
- 業務に関する質問などをまとめる
■失敗しない顔合わせポイント3:積極性をアピール
「経験のないことや、簡単な庶務的なことをお願いするかもしれませんが大丈夫ですか」などと聞かれることもあります。その場合も、未経験であることは正直に伝えながらも積極的に業務に取り組む気持ちを伝えましょう。マイナスのことでも、プラスのことで発言を終えることで、好印象を与えます。
「顔合わせ」当日は、明るくはきはきとした態度で、同じ職場で仕事を希望していることを十分に伝えると、就業開始当日も前向きな気持ちで迎えることができそうですね。
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