思わず感動してしまう気の利いた場面
■外出先までの経路仕事をスタートして間もない頃、ある営業さんから、取引先に急ぎで書類を届けてもらえないかと頼まれました。その取引先は、今までに利用したことのない駅から5分ほどのところにありました。
企業のウェブサイトを見れば、地図が掲載されており、駅の何番出口からが一番近くて、徒歩何分かというのは出ていますよね。日常的にも、初めて訪れる場所について話すときは「初めて行くの?地図見て行けるかな?」と、建物の目印などの情報を教えてもらえることはありますよね。
それに加えて、この営業さんは「ここの駅から○○線に乗る時は、いちばん後ろの車両に乗ると、○○線への乗り換えが一番楽で、着いたときにも○番出口に一番近いよ」と一言添えてくれたのです。
初めて降りる駅は、どんな人でもどの出口から出たらいいのかわからないですよね。そこまで「気付いて」、「気の利いた」案内をしてくれました。もちろん、そのおかげで、長い駅構内をうろうろして無駄な時間を過ごすことなく無事に取引先に書類を届けることができました。
■会議室予約のとき
外部からのお客さんが多く打ち合わせが多い会社だったため、会議室の予約をとることが多くありました。予約を取る時にいくつかある会議室の中から空き状況を調べ、予約するのですが、その時にたいていの人は「会議室を○時から予約しておいて」と頼む場合が多いのです。
ところが、ある営業さんは「今度のお客さんは3名で、こちらは4名の予定」と事前に人数を伝えてくれていました。
いよいよ当日になって、お客さんがいらっしゃった時に、ちょうど担当者が電話中のことがあります。そんな時は、電話が終わり次第、お客さんをお待たせしてはいけないと、「お茶お願い」とだけ言い残してバタバタと席を離れてしまうこともあります。
準備する側からすれば、何名分のお茶を用意すればいいのか分からず、一度会議室まで行って、すりガラスになっていない足元のほうを覗いて、人数を確認してから準備を始める事になってしまいます。そうすると、すっかり挨拶も終わってしまい、話し合いの最中に(今ごろ遅いと思われているのでは?)と不安になりながらお茶を運ぶことになります。
この営業さんは、会議室予約の時点から実際の来客時にはお茶を出すことに「気付いて」「気の利いた」情報を与えてくれました。そのおかげで、いつも遅すぎることなく、程よいタイミングでお茶を出すことができました。
では、次のページで、「気の利いた」派遣社員になるための応用方法を見てみましょう。