経理で働く・転職する/経理・財務の仕事

『売上』と『借金』は、紙一重(2ページ目)

経理の仕事をしていて、多いと嬉しいもの、それは『売上』。かたや、多いと気持ちが重たくなるもの、それは『借金』。でも、これら2つは紙一重の関係にあるのだとか……?

執筆者:森 康博


『借方』と『貸方』に注目してみる

もう一つのグループ分け、それは、『資産』『費用』グループと、『純資産』『負債』『収益』グループの2つに分けるもの。
『資産』『費用』グループは、増加した時に「借方」に記入するもの、『純資産』『負債』『収益』は、増加した時に「貸方」に記入するものです。

「だったら、何だっていうのサ?」……そうお考えの方もいらっしゃるかもしれませんね。

でも、よく見てください。このグループ分けで同じグループに入ることになった『資産』と『費用』は、前のページの考え方でいくと、片方はあると嬉しいもの、もう一つはそうでもないモノ。これらの2要素が同じグループに入るなんて、何だかおかしい気がしませんか?
(『純資産』などの「貸方」グループについても、同じことが言えますよね)

『損益』を見るか、『お金の流れ』を見るか

なるほどね!
『縦の書類を横にしてみれば…』
なんていいますが、同じ書類でも見方を変えると、更なる情報を引き出すことが出来るのです!
もう一つのグループ分け、『借方』『貸方』に着目する分け方にも、実はそれなり…いえいえ、重要な視点が隠されています。

「貸方」グループの『負債』『純資産』『収益』は、いずれも『会社にお金が入ってきた原因』を示すものです。返済する約束で入ってきたお金(『負債』)、返済しなくても良いお金(『純資産』)、経営努力の結果入ってきたお金(『収益』)というわけです。

そして、これら『会社に入ってきたお金を、どのように使ったのか』を表すのが「借方」グループの『資産』『費用』グループです。
会社に更なる利益をもたらすためにモノを購入したのか(『資産』)、そして、その購入したモノを実際に利益獲得のために使用したのか(『費用』)が、これを見れば分かるわけです。

もちろん、前のページのような「貸借対照表・損益計算書」といった会社の損益に着目したグループ分けで試算表を見るのも重要な観点です。
が、株主や銀行、そして顧客から頑張って得たお金が、はたしてどのように使われているのか、あるいは使ったお金が会社にどのように貢献しているのか、という視点からも試算表を見るようにすると、更に一味違った視野が広がってくることと思います。
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