タイミングのズレを生みだす『掛取引』と『手形取引』
2ページ目の設例では『モノの流れ』と『お金の流れ』が同じタイミングでしたから、利益に見合った形でお金も増えていきました。このような取引は『現金取引』といいます。すべての取引が『現金取引』に出来れば今回のような問題も生じないはずですが、現実はなかなかそういかないのです。商取引が複雑化・スピード化されていくにつれ、現金取引以外での取引が求められるようになってきました。 「掛取引」「手形取引」のことを「信用取引」と言ったりする場合もあります。 |
そこで、取引先の信用度に応じて現金ではなく、後日約束した日までに支払えばよいですよ、という取引を用いるようになってきました。それが『掛取引』や『手形取引』と呼ばれるものです。平たく言ってしまえば『ツケ』ですよね。
『ツケ』は代金を支払う方にすれば、支払が後で済みますから、現金取引に比べて商売がしやすいというメリットがあります。
と、いうことは売る方から見ても、現金取引に比べれば簡単に売上を獲得することが出来ますので、『掛取引』や『手形取引』を選択してしまいがちです。
しかしながら、それは同時に『利益』と『お金』のズレも広げてしまうということ。
折にふれて『利益』と『お金』のズレを認識していくようにしないと、利益だけたくさんあるけれど、その利益に見合った税金を支払うお金を用意することができず、最悪の場合、倒産といった事態を招くことにもなりかねないのです。
実は、他にも原因が……
『利益があるのに、お金がない』ということの原因は、他にも存在します。次回の記事では引き続きその原因を探っていきつつ、『利益があるのに、お金がない』といった事態を改善していくポイントをご紹介していきます。
お楽しみに!
■ 続きの記事はこちらになります!引き続き、ご覧ください。
【今回のまとめ】
■ 『黒字なのに、お金がない』というのは、実はよくあること。
■ 『利益』は、お金の有無に関係なく『モノの流れ』に応じて計上される。
■ 『利益』と『お金』のズレは『掛取引』や『手形取引』が原因。
■ 『掛取引』や『手形取引』の多い会社は『お金』の流れも特にケアする
必要がある。
■ 『黒字なのに、お金がない』原因は、どうやら他にもあるらしい……