企業別「日本版SOX法」対処法
たとえ「日本版SOX法」の対象とならない企業でも、「内部統制」の導入について検討してみましょう。会社の問題点を知っておくことは、経営上とても重要なことです。 |
■「日本版SOX法」対象企業の場合
「日本版SOX法」の対象となった企業は「内部統制」に取り組む必要があります。現在のところ、2009年3月決算から「日本版SOX法」に則った決算をしないといけないことになっています。
と、いうことは2008年4月から「内部統制」に従って経理処理はもちろん、その他社内の業務をこなさねばなりません。つまり、今から1年と数ヶ月で「内部統制」の仕組みを完成させておく必要があるということです。
「内部統制」の内容の詳細はここではご紹介しませんでしたが、金融庁の公開草案の内容を見ると、企業の仕事の流れの状況や会計処理の流れを把握・整理し、あるいは不備を見直し、それなりの仕組み作りをしていかないといけません。また、社内への周知も徹底する必要があります。
それを考えると「1年と数ヶ月」という期間は決して長い期間ではありませんので、なるべく早く担当の監査法人や公認会計士、あるいは親会社等と連絡を取り合う必要があるのはみなさんも想像に難くないでしょう。
■「日本版SOX法」非対象企業の場合
こちらの企業の場合は取り急ぎ「内部統制」をする必要はありません。ただし、資本金5億円以上または負債200億円以上の株式会社の場合、たとえ非上場で、上場会社と何の関連も無い場合でも「会社法」の対象となりますので、「内部統制」への取り組みが必要となります。
また、それ以外の企業は何もしないでよいかといえば、そうとも言い切れません。「内部統制」は仕組みづくりにコストがかかったり、手数がかかって面倒といったデメリットもありますが、決算書の信頼性が上がったり、仕事が効率化されたりとメリットもあります。
今回の件を機会に、自分の会社は今どうなっているのかを検証し、少しずつでも改善していけば、より良い企業へ成長させられるのではないでしょうか?
【関連リンク】
・「企業会計審議会内部統制部会の公開草案の公表について」(金融庁)
「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(公開草案)」が紹介されています。「内部統制」について、より詳細に、深く説明がなされています。「日本版SOX法」対象企業の方はもちろん、そうでない方もご覧になってみては?