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駐車違反の反則金、正しい経理の方法は?(2ページ目)

平成18年6月から、道路交通法が改正されました。配送業者の方々をはじめとして、罰金(違反金)の納付をしなければならない機会が増えるのでは、と言われています。今回は「罰金」の取り扱いについて解説します。

執筆者:森 康博

「放置違反金」も経費には……

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税務上、細かい取り扱いが決まっていないものは自分なりに考え、その取り扱いを決めないといけないことも!

「放置違反金」が経理上問題になってくるのは、会社所有の車両で社員が駐車違反を犯し、その社員が罰金を支払わなかった場合でしょう。その場合、会社で「放置違反金」を支払うこととなってしまいます。

でも、現在のところ税務上の取り扱いの詳細は国税庁より発表されていません。日々経済活動がなされている限り、会計の世界は待ったナシ!発表をただ待っているわけにはいきません!と、いうことで、この「放置違反金」の取扱いについて検討してみましょう。

「放置違反金」の取扱い方法を考えるにあたっては、その「放置違反金」がどのような性質を持つものかを知る必要があります。ちょっと、警視庁の駐車対策課放置駐車対策センターさんに電話で確認したことも交え、この「放置違反金」について整理してみましょう。

  • 違反した運転者が警察に出頭しなかった場合や罰金を支払わなかった場合に「放置違反金」が違反車両の「使用者」に課される。
  • 「使用者」とは、大抵の場合は「車検証に名前を書いてある人や会社」である。
  • 使用者が放置違反金を支払ったからといって、違反者の罪が免除されるわけではない(ただし、時効あり)。
  • たとえ放置違反金を使用者が支払ったとしても、違反者が罰金を支払った場合、放置違反金は使用者に還付される。
一見するとこの放置違反金、違反者の払うべき罰金の肩代わりのようにも見えますが、放置違反金は使用者に請求が行くことや、放置違反金を使用者が支払ったからといって違反者の罪が免除されるのではないことなどを考えれば、「違反者」と「使用者」別個に責任を問うているもので、放置違反金は「駐車違反する人に車両を使わせた」という使用者としての責任を問うために課される罰金、というように考えることが出来るでしょう。

「会社で支払う罰金の取り扱い」は、前のページでご紹介したとおり。会計上は経費にして良いけれど、税務上は経費にしてはいけない、ということですね。当面はこのように処理すればよいであろうと私は考えています。

「いや、違うのでは?」という方は、自分なりの方法で処理すべきでしょう。税務の世界は、多岐にわたる取引のすべてについてその取り扱いを定めているわけではありません。そのような時は、自分なりに考えて決断する必要があるのです。
顧問税理士さんがいるときは、決断の前にはそちらにも是非、相談してみると良いでしょう。

いずれにせよ、取り扱いの詳細が出たならば、追加記事でフォローしていきますね。

最後に、「経理の仕事」として出来ることを考えてみましょう。
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