決算チェックリストの作りかた
それでは、早速具体的なチェックリストのサンプルを基に「チェックリストの肝」をご紹介していきましょう。
決算チェックリストの一例です。Excel等の表計算ソフトを使えば簡単に作れます。あなたの会社オリジナルのチェックリストを作ってみてくださいね! |
1.勘定科目
勘定科目を挙げていきます。もちろん、決算書や試算表を見て存在する勘定科目だけを挙げれば大丈夫です。慣れないうちは存在する勘定科目全てをリストアップしておいたほうが無難ですが、決算を繰り返すうちに「リストアップするほどではない」と思ったら、リストから除いても良いかもしれません。
ただし、法人税の申告書にその明細を添付しないといけない勘定科目(「現金預金」「受取手形」「売掛金」等)と、租税公課、未払法人税等や未払消費税といった科目はリストから外さないほうが良いかと思います。これらの科目は、決算では必ずその内容を精査しないといけない勘定科目だからです。
2.チェック
この欄には作業が終わったら、その終了日を記入していきます。チェックマークをつけていくだけでも良いのですが、終了日を書けば、その科目に対してどの程度の時間をかけたのかが分かりますから、次回以降の決算スケジュールを組み立てる際の参考になります。
3.担当者
担当者を書いておきます。税理士等に依頼する項目は、その旨を書いておきましょう。
4.作成日
このリストを作成した日を書いておきます。通常、チェックリストは決算を重ねるごとにブラッシュアップをしていきますが、場合によっては決算作業中にも追加や訂正をするかもしれません。そんなわけで、過去のものと間違えないように書いておきます。
5.摘要
ここにはその科目特有の注意点や、行わなければならない作業内容を簡潔に書いておきます。追加で浮かんだことを書きとめられるよう、少し余白を作っておいても良いでしょう。
6.コメント
ここには「摘要」欄に書くこと以外の内容や連絡事項、あるいは各科目に共通して必要な事項等を書いておくようにします。
チェックリストを作ったら
チェックリストを作る過程で「作業内容の選定」や「担当決め」などをしていくことになります。これらの作業は決算に関わる人々とのコミュニケーションが自然と必要になるはず。 より深いコミュニケーションは、決算をよりスムーズにしてくれます。 |
チェックリストを作ったならば、上司や顧問税理士のチェックを受けると良いでしょう。不足している項目等を確認してもらったり、新たな決算情報を手に入れることが出来るかもしれません。
また、決算が終了したら、このリストを決算資料と一緒に保管しておきましょう。そのリストはあなたの会社オリジナルの、重要な会計資料となることでしょう!
また、チェックリストを作ることは、決算以外でも役に立つことがあります。月次業務のリストを作っておけば、うっかりミスを予防することが出来ます。その他、年末調整等、リストを作っておくと何かと便利な作業が「経理の仕事」にはあったりします。
これを機会に「チェックリスト作り」の癖をつけるようにしておいても良いかもしれませんね。
次回は、決算が楽になる「月次決算」についてご紹介します。お楽しみに!
【関連リンク】 『決算を楽に終わらせる』シリーズ(All About「経理の仕事」)
・「決算を楽に終わらせる1-原因究明編-」
「決算で何故いつも苦労するのか?」その原因と対処法をご紹介します。
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