「実務解説!勘定科目のヒミツ」はじまりです!
突然ですが、今回から「実務解説!勘定科目のヒミツ」シリーズがはじまります。このシリーズは、勘定科目ごとに、会計・税務の取り扱いをご紹介していこう!というものです。
勘定科目ごとにご紹介することによって、知りたいときにその勘定科目の情報を素早く引き出せるようになればいいな、と考えています。
「勘定科目」と口にするのは簡単ですが、その種類は膨大なもの。最低ひと月に2科目くらいをご紹介していくつもりですが、全てを網羅するには少し時間がかかりそうです。
どうぞ気長にお付き合いのほど、よろしくお願いします。
さて、それでは早速、第1回目はみなさんお馴染みの「現金」からはじめていきましょう!
「期中」の現金の取り扱い
「その日できることは、その日のうちに」 現金は特に、日々の経理の状況が現れやすい勘定科目といえます。 |
「現金」と言われてまず真っ先に浮かぶのがそのものズバリ、「現金通貨」(いわゆる「お金」)でしょう。通常はこの「現金通貨」を「現金」と考えておけば問題ありません。
毎日「現金出納帳」をつけ、一日の終わりに「現金出納帳」の「帳簿残高」と「実際の現金残高」が一致するか必ず確認するようにしましょう。
■期中に「帳簿残高」と「実際の現金残高」が一致しないときは?
通常であれば「現金出納帳」には現金の流れを記載しますから、帳簿と実際残高が合うはずです。しかしながら、日々現金を扱うと、中には帳簿残高と実際残高が一致しないことがあるはずです。そんなときは、慌てずにまず原因を探っていきましょう。
●ありがちな不一致の原因は?
- 帳簿への記載・伝票の起票忘れ
- 金額の記載間違い
- 現金の支払い・受取り間違い
たいてい残高を合わせるときは一日の終わりで、アフターファイブの待ち合わせが気になってしまったりして慌ててしまいがちですが、慌てれば慌てるほど原因は見つからないもの。
原因を突き止める一番の方法は「冷静になる」ということです。
原因が見つかったならば、正しく処理しておきましょう。
●残念ながら、不一致の原因が見つからなかったら?
どんなに考えても分からない場合、上司に報告して「現金過不足」という勘定科目で処理しておきます。あとで原因が見つかれば、この「現金過不足」を修正すればよいのです。
原因が見つからない場合で、決してしてはいけないこと。それは「不一致を秘密にしておく」ということです。必ず上司に不一致の旨を報告してから「現金過不足」として処理するようにしましょう。
「上司に黙って、自分の財布からお金を補填する」なんてもってのほか!
「自分のお金と会社のお金の区別があいまい」だと思われてしまうと、最悪の場合、横領などを疑われてしまう場合もあります。
人間のすることには間違いが付きもの。ベストを尽くして間違えたのならば、それは仕方のないことなのです。