【津島さん】
例えば、親しい同僚に、取引先への道順の説明をすると、感覚タイプの違いがこのように出てきます。
視覚型 (イメージ派) |
「○○駅の西口を出ます。すると、ロータリーの斜め右に赤いマクドナルドの看板が見えます。 そこから素敵な並木道がまっすぐに続いています。樹は花水木なので、ちょうど今は白やピンクに色づいてとてもキレイなんですよ。 でも、冬になると葉が落ちて殺風景なんですよね…、あ、それからしばらく真っ直ぐ進むと○×銀行の青い看板が左側に…」 |
聴覚型 (論理派) |
「○○駅の西口を出ると、道が三本放射線状にあります。一番右の道を直進します。 すると、距離にして約200メートル、男性の足で3分弱、女性の足で4分といったところでしょうか? すると、左側に××という喫茶店があります。 話によると3代も続くお茶屋さんの経営だそうです。一度入ったことがあるのですが、コーヒーはまあまあなのですが、紅茶は薄くてまずいのでおすすめしません」 |
触覚型 (行動派) |
「○○駅の西口を出ると、ザッ、ザッ、ザーと道が斜めに三本走ってて、(ジェスチャーを示す)一番右をズンズン進むとしばらくして、 えーっとクララ?ウララ?何かそういう感じの名前の喫茶店があって、あー、あそこのカレーが美味しいんですよ」 |
【平井】
…この説明では、誰も取引先にたどりつけないのでは(笑)。
【津島さん】
かなり極端な例を挙げましたので(笑)。
道順の説明は、タイプ別の良いところと、陥りやすい悪いところがよく出ます。
視覚型は、色や形などのイメージにこだわり、見たものをそのまま表現していきます。頭の中でスライドや紙芝居が上演されているが如く、記憶の移動が「面」なのです。目線は上を向いていることが多く、情景が目に浮かぶように話すのですが、なかなか先に進みません。
聴覚型は、時間や距離を正確に伝えてくれます。記憶の移動は、一貫性の「線」です。目線は一点凝視か、やや下へ動きます。論理展開に一貫性がありますが、妙なこだわりも時々見せます。
触覚型は、自分が身体で感じたことを次から次へと表現していきます。記憶の移動は、「面」よりももっとせまく、「点」が無数に散らばり、その間を行ったり来たりです。身振り手振りが大きく、目線もキョロキョロしています。気がついたら、道順の説明が、カレーの美味しい店の話にすり替わっていた、なんて事も。
【平井】
「自分がわかっていること」を人に伝える時は、どうしても自分の優位な感覚を使ってしまっているのですね。
西口を出た時、見えて(感じて)いるものは自分と相手では全然違うかもしれない…「ちゃんと言ったのに伝わってない!」理由のひとつはこのあたりにあるような気がしてきました。
これらのヒントから、自分のタイプがどれなのかわかれば、気をつけることができそうですね。
【津島さん】
一生懸命になればなるほど、自分の得意な表現方法、優位な感覚が全開!になってしまいがちです。
私は聴覚型なのですけど、相手はもううんざりしているのに、ついくどくどと説明していたり…。
「自分の優位に溺れることなかれ」ということが最も大切なことなのです。なんとなく、しっくりいかない感じ、ギャップのようなものを感じたら、相手のタイプに合わせて、自分の表現方法に工夫をしてみると良いということです。
【平井】
タイプ別に効果的な方法や、タブーってありますか?