05年12月に2006年度の税制改正大綱が決定され、本年4月1日から登録免許税や不動産取得税の税率が一部、変更になります。不動産取引に直接、関係してくる改正内容ですので、本コラムで再確認しておきましょう。
一部を除き、税率は2倍(本則へ戻る) 登録免許税
登録免許税とは、所有権などを移転したり保存する際に必要となる国税ですが、2003年4月1日から適用されている「不動産登記にかかる登録免許税の税率の特例」(※)が、06年3月31日をもって廃止となります。そのため、「土地の売買に伴う所有権の移転」および「土地に関する所有権の信託の登記」以外はすべて、本則の税率(2倍)に戻ります。
改正前 | 改正後 | |||
所有権の移転 | 売 買 | 建 物 | 1.0% | 2.0% |
土 地 | 1.0% | 1.0% | ||
相続・合併 | 0.2% | 0.4% | ||
共有物の分割 | 0.2% | 0.4% | ||
贈与、その他 | 1.0% | 2.0% | ||
所有権の保存 | 0.2% | 0.4% | ||
地上権等の設定等 | 設定・転貸 | 0.5% | 1.0% | |
移 転 | 売買等 | 0.5% | 1.0% | |
相続・合併・共有にかかる権利の分割 | 0.1% | 0.2% | ||
信託の登記 | 所有権 | 建 物 | 0.2% | 0.4% |
土 地 | 0.2% | 0.2% | ||
所有権以外 | 0.1% | 0.2% | ||
相続財産の分離の登記 | 所有権 | 0.2% | 0.4% | |
所有権以外 | 0.1% | 0.2% |
1.売買による所有権移転の登記 2.所有権の信託の登記 |
については、その税率を2年間(2006年4月1日~2008年3月31日)本則の2分の1に軽減する特例が創設されることで、事実上は、今までの特例が06年4月以降も継続される(=税率は変更なし)ことに等しくなります。
住居用建物以外は段階的に増税 不動産取得税
さらに、不動産取得税も店舗や事務所といった「住宅以外」の家屋(建物)については2006年4月1日以降、段階的に税率が引き上げられます。
改正前 | 改正後 | |||
適用年月日 | ~2006年3月31日 | 06年4月1日~08年3月31日 | 08年4月1日~09年3月31日 | |
住 宅 | 建 物 | 3.0% | 3.0% | 3.0% |
土 地 | 3.0% | 3.0% | 3.0% | |
住宅以外 | 建 物 | 3.0% | 3.5% | 4.0% |
土 地 | 3.0% | 3.0% | 3.0% |
復習として、不動産取得税の標準税率は4%なのですが、「特例措置」として2003年4月1日~06年3月31日まで3%とされていました。2006年度の税制改正で、当該特例措置が3年間延長されるため、引き続き2009年3月31日までは「住宅以外の建物」を除き、3%となります。
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