栄養士・管理栄養士の仕事の中でもスポーツ業界は人気があります。どうすればスポーツと関わる業務ができるのでしょうか? 今回は栄養士・管理栄養士養成施設と健康運動指導士養成校で、スポーツ栄養学を教えていらっしゃる鎌倉女子大学・准教授の田地陽一さんにお話をうかがってきました。

スポーツ選手が勝つためには栄養・食事が重要!

田地陽一さん
田地陽一さん。医学博士、鎌倉女子大学家政学部管理栄養学科 准教授、東洋大学ライフデザイン学部健康スポーツ学科 非常勤講師。東京武道館健康体力相談室で相談員を経験。「動く、食べる、休むScience」共著。
ガイド:
シドニー・オリンピックでは高橋尚子選手、アテネでは北島康介選手が管理栄養士によるサポートを、2008年北京に向けては卓球の福原愛選手も栄養サポートを受けるとのことですが、最近のスポーツ業界では勝つために栄養・食事が重要な要素の一つであると位置づけられたと感じますが……?

田地陽一さん:
アスリートが最高のパフォーマンスを発揮するために食事が重要であるという認識は、国際的な選手から学生のスポーツ選手まで浸透したと思います。多くの場合、トップアスリートのサポートチームのスタッフには管理栄養士が入っていますね。

ガイド:
栄養士・管理栄養士もスポーツ業界の仕事を注目していますね。

田地さん:
私は現在、栄養士、管理栄養士の養成教育に携わっていますが、スポーツ業界の仕事を目指す学生は大変多いです。陸上やバレーボール、バスケットボールなどのクラブ活動をしていた学生は特に、運動と食事の関係について興味をもっているようです。

ガイド:
栄養士・管理栄養士養成施設の大学でスポーツ栄養学を教えていらっしゃいますが、なぜスポーツ栄養学がカリキュラムに入っているのでしょうか?

田地さん:
平成14年度から新カリキュラムになり、その時から「スポーツ栄養学」が導入されました。これは栄養士・管理栄養士がスポーツ業界で仕事をするための知識を学ぶという理由もありますが、それ以上に運動に関する知識が必要だからです。栄養士・管理栄養士にとって、肥満と関連する生活習慣病の予防や運動指導に関する知識は不可欠です。運動に関する知識を「運動生理学」「運動処方」といった科目を設定して学習する学校もあれば、この内容を「応用栄養学」や「スポーツ栄養学」の中で学ぶ学校もあります。

ガイド:
スポーツ業界で仕事をする人だけではなく、これからの栄養士・管理栄養士は運動生理学、運動処方の知識が不可欠だということですね。一方、健康運動指導士養成校では栄養学を教えていらっしゃるそうですが、運動を指導するスペシャリストにとっても栄養・食事の知識は必要なんですね?

田地さん:
必要です。栄養士によるサポートを受けられるアスリートはまだ限られているので、アスリート自身やスポーツ指導者が、食事の中の何が筋肉の材料になるのか、何が運動時のエネルギーとして使われるのか、コンディションを整える働きをしてくれるのは何かなどを理解している必要があるのです。

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