介護・福祉業界で働く・転職する/介護・福祉業界の転職ノウハウ

介護職における将来設計・キャリアアップの選択肢

介護業界では、たくさんの職種の協働によって介護という一つのサービスが成り立っています。3年後、5年後、また10年後を見据えたワークライフプランを描くための、ステップアップの選択肢をご紹介します。

井上 ルミ子

執筆者:井上 ルミ子

介護・福祉業界で働く・転職するガイド

介護をとりまく様々な業種

求人倍率が非常に高く、男女に関係なく転職組も大歓迎、言い換えると自分の頑張りしだいでステップアップが可能となるのが介護業界です。職種数が多い分だけキャリアの幅を広げるチャンスが多くもあります。3年後、5年後、また10年後を見据えたワークライフプランを描くための、キャリアアップの選択肢を俯瞰してみましょう。

*文中の給与は、求人広告などで調べた採用時点のものであくまでも目安です。

訪問介護事業者で「サービス提供責任者」になる

打ち合わせしている様子

サービス提供責任者打ち合わせの様子

「サービス提供責任者」とは介護保険制度上の職名で、 ホームヘルパーの指導、スケジュール管理、現場でのトラブルの処理、訪問介護計画書の作成、ケアマネジャーとの連携、サービス担当者会議の出席など介護事業所の運営をコーディネートしていく役割です。

介護保険の「訪問介護事業所の指定基準」では、事業所ごとに規模に応じた数のサービス提供責任者の配置が義務づけられているため、求人広告においては「サービス提供責任者候補求む」「経験者大歓迎」などというキャッチを頻繁に見かけます。

かつての資格要件は「ホームヘルパー2級課程研修修了者で3年以上の実務経験」という比較的ハードルの低いものでしたが、平成24年度から「介護福祉士資格基礎研修修了者、1級課程研修修了者」が基準となりました。ただ一方で経験年数は求められていないので、資格を持った未経験の方を育てるという事業所も多くなってきており、やる気があればキャリアアップのファーストステップとしてチャンスは多いと思います。

求人に出ている採用時の給与は18~25万円程度。この「サービス担当責任者」を通過点に、後述する「ケアマネジャー」の資格取得を目指したいところです。さらにその先は専門職としてのケアマネジャーに従事するもよし、訪問介護の管理者(事業所長)になることも現実的になってきます。

ケアマネジャーの資格を取る

介護保険の要支援者・要介護者のケアプランを作成する「ケアマネジャー」の資格の取得が、在宅では王道になりつつあります。利用者や家族の相談をもとにあらゆるサービスや人とを繋げていく役割です。

介護保険制度がスタートした平成12年新たに登場した公的資格ですが、国家資格ではありません。しかし今や介護の世界でのキャリアアップにおいて当たり前に求められる資格になってきています。現場経験5年で受験資格が得られるため、多くの人が当てはまるからでしょう。

主な働き方は、「在宅」と「施設」に分かれます。在宅の場合、ケアマネジャー一人あたり40人前後の範囲でケアプランを立てるのが一般的で、毎月それぞれのお宅へ訪問しながらプランの調整を行っていきます。一方、施設は在宅と違い対応すべき範囲が施設内に限定されます。介護保険制度上、入所者100人に対して1人のケアマネジャーの配置が基準となっており、主な仕事は入所者のケアプラン作成や関係者との調整役です。

求人に出ている採用時の給与は20~30万円程度。これは介護報酬が引き上げにならない限りは相場と言えるでしょう。

訪問介護事業者で管理者(事業所長)を目指す

ガッツポーズの男性

ステップを踏んで事業所長

訪問介護事業者のさらなるステップアップとして考えられるのは、管理者(事業所長)を目指すことです。計画的な事業所ほど、社内で人材を育て登用しています。理念に対する理解や忠誠心が備り、定着率も良いためです。ポストの数がある程度見込める新規の事業所に転職して実績を積み、新規開設の管理者(事業所所長)を目指すのも良いでしょう。ただし、転職にあたっては、しっかりと情報収集を行い、優良事業者を見つけましょう。
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