コンサルタントで働く/コンサルタントの仕事

コンサルの業務設計プロジェクトの進め方(4ページ目)

コンサルタントの仕事内容はイメージできていますか?ITプロジェクトの進み方とコンサルタントの役割について解説した第2回。

執筆者:大石 哲之

コンサルティング会社毎にノウハウが蓄積

大手のコンサルティング会社であれば、業界別・領域別に、このようなベスト業務テンプレートのようなものをいくつか持っています。これにクライアントの事情や、特殊な要因などを組み入れて、ベストと思われる業務をデザインしていくことで、効率よくごく短期間でのERP導入などが実現できるわけです。

○○を管理する、つまり在庫管理、人事管理、原価計算といった分野では、突き詰めて考えると、ベストなやり方というのはいくつかの代表的な管理方法に集約されます。多くの企業が過去に実践して成果のあがっている効率的な業務を下敷きにしたほうが効率よく業務設計できるわけですよね。

ERPのBPR効果とは?

よくERP導入によるBPR効果というのが議論されますが、おそらくこのあたりのことを指していると思うのです。すでにベストと分かっいて効果の見込める業務テンプレートを元にそれを導入すれば、そのままテンプレートが潜在的に持っているはずのBPRの効果が得られるというわけです。

テンプレートがない場合

ではさらにとくにテンプレートがない場合はどうでしょうか?全くの新業務の場合や、業界に先駆けた新しい管理コンセプトで物事を行うといった場合はどうするのでしょうか?これらにはベストアプローチというのが存在しないか、ある程度雛形があるにしても、業務としてこなれてないわけです。

ベストアプローチが存在しないというのは、現場でつかうような情報系のシステムではそのようなことが結構あります。情報系のシステムというのは、次のようなものです。

・営業支援システム
(not 営業管理システム)
・融資や会員などの審査システム
・経営分析システム
・出店&来店予測システム

個別のカスタマイズニーズが強く、どういう情報をどのような切り口で取り出して見るべきかといったことが、クライアントごとに違うため、ベストな回答が見つけにくいものです。

これらの情報系では、どういう情報を取得し、どう加工して、どのように見るか?ということを決めないといけません。

それはつまり、現場のマネージャーがどういう視点で物事を判断するのかという視点そのものであり、業務設計の背景には「視点の設計」が隠されているということになるのではないでしょうか。

さて、次回記事では導入フェーズ以降のお話になります。次回記事へ
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