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翻訳者にとって大変なこととは(3ページ目)

前回、前々回とご紹介をしてきたフリーの翻訳者三瀬乃利子さん。今回はズバリ「翻訳者にとって大変なこと」をおききしています。そして、現在挑戦中の映像翻訳の世界について、さらに翻訳経験を積むウラ技も!

執筆者:柏木 梨花

次の目標、映像翻訳のスペシャリストに向けてまだまだ新化を続ける乃利子さん。

新たな挑戦 映像翻訳の世界

「ある日突然、台湾のエージェントからトライアルとして映像とシナリオが送られてきたのです。
映像翻訳の経験なんて全く無かったし、専門の勉強もしていませんでしたので、エージェントにその旨を伝えたのですが、トライアルだからとりあえずやってみて、と。訳文は2行におさめるように、とか基本中の基本だけ指示をされてやってみたのが最初です。
そのトライアルがどういうわけかクライアントに気に入られて、DVDの翻訳をさせてもらいました。
みようみまねでやってみたのですが、そうしたらそれがすごくおもしろくて。
今までの翻訳とまったく違うのです。せりふをそのままになんて訳さない、まさに意訳の極地なんです。」

乃利子さん曰く、映像翻訳は「訳す」というより「せりふをつけていく」仕事なのだそう。

「さすがに、きちんと勉強をしないといけないと思い、その後に映像翻訳のセミナーに通いました。
そうしたら使ってはいけない漢字とか、何秒の映像に何文字とかいろいろと決まりがあって(笑)。」
4月からは本格的に映像翻訳の勉強を始める予定とのこと。

実務翻訳もビジネスの成功を左右する重要な仕事。専門分野であれば高度な技術と知識が求められます。
「IT関連の翻訳を多くやっていたので、テクニカルライティングを極めようと考えた時期もありましたが、やはり自分は日本語で表現をするのが好き。
将来は映画館で上映される映画の翻訳をしてみたい、というのが今の夢です。」

生活の為に始めた翻訳。周りに頼れる先生も先輩もいない中で、手探りでスキルアップをし、一人前の翻訳者として認められるまでになった乃利子さん。
ステージを登ってきてたどり着いたのは、本来好きだった「日本語で感性を表現する」世界。
乃利子さんは培ってきたスキルを武器に挑戦し続けます。
ちなみにここでスキルと表現をしているのは、翻訳技術だけでなく、プロの翻訳者としての姿勢も含まれます。


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